どうも。「医師の診断書無しで病気退職する」や「高額の領収書を5年間保存せずに廃棄する」という安倍晋三の愚行を是認する者は、社会人として仕事が出来ない無能です。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『レイプハンター 狙われた女』です。
流産した悲しみに、うちひしがれていた冬子は、ふとしたことから出逢った若者との愛欲に身をまかせていたが、サラ金会社強盗事件にかかわり逃亡することになる(日活ホームページより引用)。1980年公開の日活ロマンポルノ作品。監督は澤田幸弘で、出演は岡本ひろみ、渡辺とく子、木瓜みらい、林ゆたか、草薙良一、鶴岡修、梅津栄、高橋明、山西道広、清水宏。
澤田幸弘が日活ロマンポルノで最後に監督した作品です。当時の澤田監督はテレビドラマに活動の場を移しており、日活繋がりで石原プロモーション制作の『大都会』や『西部警察』を演出していました。
澤田監督の「卒業」を祝すかのように、『あばよダチ公』や『俺達に墓はない』で組んだ松田優作がノンクレジットでゲスト出演しています。本作は松田が出演した唯一の日活ロマンポルノです。映画で『蘇える金狼』を、テレビドラマで『探偵物語』をやっていた頃の松田がヤバい生命保険勧誘員を怪演しています。
ポルノよりハードボイルドなアクション映画を得意とする澤田監督なので、本作はセックスよりバイオレンスに重きが置かれています。それ故、冬子(岡本ひろみ)とオサム(林ゆたか)、アケミ(木瓜みらい)とゴン(草薙良一)の濡れ場は荒々しい演出です。因みに草薙は秋田県仙北市出身です。
恋人アケミのシャブ代で借金を抱えたオサムが、サラ金会社から大金を強盗したのに巻き込まれ、冬子はアケミ、ゴンと共に逃避行します。この「金持って逃げる」のがアメリカン・ニューシネマのようです。借金取りに腹を刺されたゴンが衰弱していくのは『真夜中のカーボーイ』を、警官隊に囲まれた冬子たちの結末は『俺たちに明日はない』を意識したのでしょう。
本作はロマンポルノとしての制約(一定数のヌードや濡れ場)がありながらも、澤田監督に撮りたいものを撮らせた、日活からの「はなむけ」だったのかもしれません。
★★★☆☆(2020年10月31日(木)インターネット配信動画で鑑賞)
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