【映画評】フランケンシュタインの復讐 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。「叩き上げの苦労人総理が反日左翼インテリ学者を懲らしめる」というストーリーに騙される、学歴コンプレックス丸出しのバカな日本人は少なくなさそうです。政治が学問研究を屈服させるのを疑問視しない、知性を軽んじる日本になれば、衰退一直線で韓国や台湾に抜かれる日は遠くないでしょう。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『フランケンシュタインの復讐』です。

 

斬首刑を宣告されたフランケンシュタイン男爵が身代わりを立てて逃亡し、別人に成りすまして死体再生の実験を続けるという物語。1958年日本公開作品。監督はテレンス・フィッシャーで、出演はピーター・カッシング、ユーニス・ゲイソン、フランシス・マシューズ、マイケル・グウィン。

 

フランケンシュタインの逆襲』の続編となるハマープロ製作の怪奇映画です。フランケンシュタイン(ピーター・カッシング)が死体再生を成功させ、自分をギロチン台送りにした人々への復讐を企てるという意味のタイトルです。

 

米国ユニヴァーサル版の『フランケンシュタイン』における怪物と異なり、英国ハマープロ版はリアル路線です。前作でクリストファー・リーが演じた怪物は不気味さを残していましたが、本作の怪物(マイケル・グウィン)は生きている人間と変わらない外見になっています。単に特殊メイクに時間をかけたくなかったからなのかもしれませんが。

 

本作の死体再生で重要なのは生きている人間の脳を移植することで、これが難関になっています。自分の脳を快く提供してくれる人は皆無ですから。フランケンシュタインは、身体障害者であるカール(マイケル・グウィン=二役)の健常な肉体を得たいという願望を利用して、死体再生に成功します。自分の野望を達成するため、障害者を道具として利用するフランケンシュタインは外道ですね。

 

その成果を世間に公表すれば、フランケンシュタインの復讐は成し遂げられるはずでした。しかし、カールの繊細な感情を理解できなかったばかりに失敗します。前作に続き、二度目の失敗です。科学者としては優秀でも、失敗を繰り返すフランケンシュタインはアホではないでしょうか。

 

終盤に気狂い科学者であることがバレたフランケンシュタインは、療養所の患者たちにボコボコにされます。何しろ怪物の「部品」を得るため、病名をでっち上げて患者たちの肉体を切除してきたのですから。瀕死のフランケンシュタインは助手のハンス(フランシス・マシューズ)にあることを頼みます。それは自分の脳を予め用意していた死体に移植して再生することです。これを抵抗することなく引き受けたハンスも気狂い科学者です。

 

そうしてフランケンシュタインは他人の肉体に生まれ変わることによって復讐を成し遂げたというラストで映画は終了します。しかし、これまでの経緯から、私はアホのフランケンシュタインが三度目の失敗をやらかすのを想像してしまうのでした。

 

★★★☆☆(2020年9月21日(月)DVD鑑賞)

 

 

 

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