どうも。一般人(視聴者)にPCR検査抑制論を説きながら、ちょびっとでも我が身に疑いがあると急いでPCR検査を受ける有名人(元府知事?爆笑漫才師?)はクソダサいです。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『第十七番』です。
廃屋に侵入した男が死体を発見したことから、次から次へと謎が襲ってくるミステリー調のサスペンス映画。1932年製作のイギリス映画で、日本劇場未公開作品。監督はアルフレッド・ヒッチコックで、出演はレオン・M・ライオン、アン・グレイ、ジョン・スチュアート、ドナルド・カルスロップ、バリー・ジョーンズ。
アルフレッド・ヒッチコックが渡米前の在英時に監督したモノクロ映画です。戯曲の映画化であり、前半部分は廃屋内のワン・シチュエーションで物語が進行します。当時、若手監督だったヒッチコックは仕事を選べなかったので、戯曲原作の作品を監督することは珍しくないことです。しかし台詞の応酬を重視し、カメラワークに空間的制約がある戯曲では、ヒッチコックの映像テクニックを活かせません。
次々と登場人物が増え、「あの人が実は……」という謎解きが繰り返されます。しかし、尺の短さゆえにキャラクター説明が不十分なので、理解が困難です。漫才やコントに例えれば、前フリなしで次々とボケまくられる感じです。
後半部分で廃屋から出て、列車を用いたアクション的展開を見せます。しかし、それまでの物語を十分に理解しない状態で見せられても、面白味を欠きます。
現場で監督していたヒッチコックも面白くなかったのでしょうか。冒頭の長回し撮影や後半のミニチュア撮影など、新しい演出の実験に興味が移っているようです。そして本作を観る価値は、そこにしかないのです。
★☆☆☆☆(2020年9月2日(水)DVD鑑賞)
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