【映画評】珍遊記 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。難病のせいで政治判断を誤ってはならないという理由で辞意表明した安倍首相が、在任中に敵基地攻撃能力保有の方向性を示すそうです。それは国防に関わる重要な政治判断ですけどね。病人になれば批判を回避できるから、やりたい放題ですか。やはり医師の診断書の提示すらしない潰瘍性大腸炎は・・・・・・?

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『珍遊記』です。

 

天竺を目指して旅を続けていた玄奘(げんじょう)は、偶然立ち寄った家の老人から、天下の不良少年・山田太郎を更生させて欲しいと頼まれる。宝珠の力で太郎の恐るべき妖力を封印した玄奘は、嫌々ながらも太郎を引き取り、ともに旅をすることになるが……(映画.comより引用)。2016年公開作品。監督は山口雄大で、出演は松山ケンイチ、倉科カナ、溝端淳平、田山涼成、笹野高史、温水洋一、ピエール瀧、板尾創路、矢部太郎、今野浩喜、アイアム野田、松尾諭。

 

漫☆画太郎原作の実写化不可能と思われていたギャグ漫画を、果敢にも(無謀にも?)実写映画化した作品です。この企画に挑んだ勇気ある監督は山口雄大です。過去に『地獄甲子園 BATTLE FIELD STADIUM』や『漫☆画太郎SHOW ババアゾーン(他)』で漫☆画太郎作品を実写化した実績を買われたのでしょう。

 

子供(特に男の子)の大好物である、うんこ、ちんこ、おならのギャグを連発するのは原作どおりです。山田太郎役の松山ケンイチは全裸になり、玄奘役の倉科カナは「ちんこ」という台詞を発してまで原作に近付こうとしています。太郎に倒されたザコたちが全裸になるところまで原作に忠実です。

 

原作に忠実なだけでなく、山口監督のオリジナリティーも加味されています。それは『魁!!クロマティ高校 THE MOVIE』でも見せたカンフーアクションへのこだわりです。同作では原作漫画にない要素を無理やりに入れた形でしたが、本作では中華テイストがある設定なので無理は少ないです。本作における「カンフー+CG+ギャグ」という作り方は、『少林サッカー』や『カンフーハッスル』のチャウ・シンチーに通じるものがあります。だから、もっと評価されていいはずです。

 

そこまで頑張りを見せても、惜しい点があります。それは原作に比べて「汁気」が足りないことです。CG部分と調整する関係なのかもしれませんが、画面が明るくツヤツヤしている感じがします。漫☆画太郎の画風は、じじいやばばあが顔中から色んな汁を吹き出しながら絶叫するイメージに象徴されるので、その再現度が不足しているのは残念です。

 

それでも、ヒット狙いの安全牌的な実写化作品が溢れる中、本作に挑戦したクソ度胸は高く評価したいのです。

 

★★★★☆(2020年8月20日(木)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

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