【映画評】不良番長 どぶ鼠作戦 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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どうも。先生怒らないから、2025年大阪・関西万博のロゴマークがキモいと思った者は正直に手を挙げてー。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『不良番長 どぶ鼠作戦』です。

 

新宿を根城にする不良グループ「カポネ団」が大阪に遠征して、釜ヶ崎、河内で大暴れする人気シリーズ第5作。1969年公開作品。監督は野田幸男で、出演は梅宮辰夫、谷隼人、賀川雪絵、南弘子、山城新伍、長沢純、鈴木やすし、曽根晴美、上田吉二郎、富田仲次郎、須賀不二男、京唄子、鳳啓助、中田ダイマル・ラケット、笠置シヅ子、由利徹、葉山良二。

 

当時の東映東京は東映京都より格下に見られていたので、東映東京制作の『不良番長』が大阪を舞台にするのは、映画の内容と同じで敵地に殴り込む感じだったでしょう。

 

その『不良番長』チームを迎え撃つのは、中田ダイマル・ラケットや京唄子&鳳啓助らの大阪お笑い勢です。この強敵に対し、前作『不良番長 送り狼』で東映京都から参加してきた山城新伍がパイプ役のような務めを果たします。野田幸男監督が和歌山県出身であることも、関西テイストを取り入れるのに利しています。

 

大阪お笑い勢に負けじとばかりに、由利徹が笑いの爪痕を残します。舞台が大阪なのに東北訛りで、食材の仕入れルートが怪しげなヤバい煮込み屋さんを演じています。

 

これまでの『不良番長』シリーズが実際に新宿でロケを行っているので、本作も釜ヶ崎で撮影しているのでしょうか。そうであれば、何かと危険な当地にカメラを向けるのは、日活ロマンポルノの傑作『㊙色情めす市場』より早かったことになります。

 

カポネ団がバイカー集団らしさを見せるのはオープニングとラストだけです。作品のほとんどでストリップ稼業に精を出しています。前作まで売春斡旋業や美人局を生業としていたカポネ団にしては、大人しい仕事です。

 

カポネ団は不良グループ(愚連隊)であり、本職の暴力団ではありません。自由を愛するカポネ団が、彼らを潰そうとして卑劣な手を使う暴力団と対立するのは本シリーズ定番の展開です。

 

ラストの対決は、機関銃をぶっ放す銃撃戦です。死体の山を築いたカポネ団の生き残りは、陽気かつ爽やかにバイクで新宿へと帰って行きます。その強引さに「ここは日本か?」と思ってしまうほどです。しかし、その強引さが本シリーズ(というか往年の東映)の魅力でもあるのです。

 

★★★☆☆(2020年8月15日(土)DVD鑑賞)

 

 

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