【映画評】不安の種 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。個人VS私企業の徴用工訴訟や私設植物園の安倍晋三土下座像への介入に積極的な政府が、民間企業のことだからという理由でモーリシャス重油流出事故への介入に消極的であるのは一貫性を欠きます。結局、政府は「韓国を叩けば内閣支持率が上がる」という成功体験を信じて実行しているだけです。今まで政府の策略に乗って韓国叩きをしてきたバカやアホが多かったからですね。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『不安の種』です。

 

ある地方都市でバイク便ライダーをしていた巧は、ある日、バイク事故の現場に遭遇し、怪我をした青年・誠二に助けを求められる。それを機にバイク便の仕事を辞めた巧は、新しいバイト先で陽子という女性に出会うが……。ひとつの事故をきっかけに、町に潜む怪異が次々と露わになっていく様子を描く(映画.comより引用)。2013年公開作品。監督は長江俊和で、出演は石橋杏奈、須賀健太、浅香航大、岩井志麻子、津田寛治。

 

中山昌亮の漫画を原作とするオムニバス形式のホラー映画です。怖いエピソードを重ねていく『呪怨』と同じ構成ですね。

 

怪奇現象の描写は、恐怖と笑いが紙一重になる感覚を狙ったそうです。しかし、恐怖も笑いもありません。どうせなら『貞子VS伽椰子』のような逸脱があれば、笑いとして成立できたのに、そこまで至っていません。

 

タイトルどおり、観客に不安を感じさせることを目的として演出したそうです。陽子(石橋杏奈)の人格が豹変したり、怪奇現象の説明を省略したり、物語の時系列を狂わせたりしたのは、それが狙いのようです。しかし、その狙いは、ことごとくスベっています。

 

本作を観て感じるのは、「こんな出来の映画を観て、人生の大事な時間を無駄遣いしているのではないだろうか」という不安です。

 

本作の長江俊和監督は、『放送禁止』シリーズなどロジックを駆使した作品を得意としています。それにもかかわらず、本作における時系列の狂わせ方は辻褄が合わず、ロジックが破綻しています。長江監督にとっては新境地のつもりでも、単に自分の良さを殺しているだけの結果になっているのです。

 

☆☆☆☆(2020年8月1日(土)DVD鑑賞)

 

 

にほんブログ村 映画評論・レビューに参加しています(よろしければクリックを!)