【映画評】アツカマ氏とオヤカマ氏 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。新型コロナウィルス感染者に「夜の街」で放蕩している負のイメージを強調すると、生活のために「昼の街」で働いている中で感染した者がPCR検査を受けるのを躊躇わせます。そして、その「昼の街」感染者が知らぬ間に感染拡大させ、東京近辺を感染地獄に陥らせるでしょう。まあ、それでも政府による責任転嫁目的のイメージ流布を疑わない情弱低能バカは、「夜の街」感染者叩きをしますね。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『アツカマ氏とオヤカマ氏』です。

 

強心臓の平社員“アツカマ氏”と口うるさい課長“オヤカマ氏”を中心とするサラリーマン喜劇。1955年公開作品。監督は千葉泰樹で、出演は小林桂樹、上原謙、久保菜穂子、三原葉子、遠山幸子、花井蘭子、細川俊夫、森繁久彌。

 

岡部冬彦の漫画を原作にしています。「最近の邦画は漫画原作ばかりでオリジナル作品がない」などという批判は、映画の歴史について勉強不足であり、昔から漫画原作の映画は少なくありません。

 

小林桂樹が演じる“アツカマ氏”こと渥美鎌太郎は、今ならばアンタッチャブル山崎=ザキヤマのようなキャラクターです。厚顔無恥で調子の良いことを言いながら、仕事を成功させていきます。

 

他方、上原謙が演じる“オヤカマ氏”こと大宅鎌太郎は、部下や家族に口うるさいタイプでありながら、サラリーマンの滑稽さと悲哀さを表現しています。上原はハンサムな二枚目で売っていましたが、私生活では冗談好きの三枚目だったそうなので、意外と本作のような喜劇にもっと出演したかったのかもしれません。

 

DVDのジャケットでは主役扱いされている森繁久彌は、軽薄な支店長役です。小林と上原より出演シーンが圧倒的に少ないにもかかわらず、「新東宝森繁シリーズ」と謳って商売するのは如何なものかと思いますが。

 

私にとって意外だったのは、三原葉子が普通のOL役を演じていることです。三原と言えば、後の新東宝や東映におけるセクシーむっちり熟女路線しか認識していないからです。

 

それほど有名な作品ではありませんが、森繁と小林の共演は後の東宝「社長」シリーズに繋がります。そのシリーズの源流として、本作には価値があります。

 

★★☆☆☆(2020年6月27日(土)DVD鑑賞)

 

 

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