どうも。サザンオールスターズの有料配信ライブは、大画面で観られるネット環境にないので断念しました。スマホの小さな画面で観たら台無しになるでしょう。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『カフェ・ソサエティ』です。
映画業界で働くことを夢見るニューヨーク生まれの青年ボビーは、業界の有力者である叔父フィルを頼ってハリウッドにやってくる。フィルの秘書を務める美女ヴォニーに心を奪われたボビーは、映画スターやセレブリティを相手に、フィルの下で働きながらヴォニーと親密になっていくが、彼女には思いがけない恋人の存在があった(映画.comより引用)。2017年日本公開作品。監督はウディ・アレンで、出演はジェシー・アイゼンバーグ、クリステン・スチュワート、ブレイク・ライブリー、スティーヴ・カレル、コリー・ストール。
ウディ・アレン監督が得意とするコメディです。主人公のボビー(ジェシー・アイゼンバーグ)は、ニューヨーク生まれのユダヤ人青年ですから、アレン自身を投影したキャラクターと言えます。
ボビーが好きになるヴォニー役を、クリステン・スチュワートが演じています。彼女を初めて見たのが『パニック・ルーム』で、ボーイッシュな娘役を演じていた印象が残っているので、どうにも色気を感じません。あくまで個人の感想ですが。
ボビーはヴォニーと恋に落ちますが、ヴォニーはボビーの叔父フィル(スティーヴ・カレル)と不倫関係にあります。ボビーとフィルは互いの恋愛事情を知らずに会話するので、フィルがボビーの恋愛を応援するようなすれ違いが生じます。そのすれ違いは、まるでアンジャッシュのコントのようです(おお、不倫でアンジャッシュですか。タイムリーなネタですね)。
前半では西海岸のハリウッドで映画業界が描かれ、後半では東海岸のニューヨークでギャングの世界が描かれます。両者は全く異なる世界のように思われます。しかし、映画の夢もギャングの犯罪も現実離れした出来事であり、そこに集まる人々の欲望によって社会=ソサエティが成立しているという意味で共通しています。
どちらの現実離れした世界も生き、ヴォニーとの恋が成就しなかったボビーにとって、一度きりの人生は夢であり、ソサエティの華やかさは虚無です。このシニカルな視点が、実にアレン監督らしいのです。
★★★☆☆(2020年6月23日(火)DVD鑑賞)
にほんブログ村 映画評論・レビューに参加しています(よろしければクリックを!)