【映画評】銀座旋風児 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。熱中症対策に通気性の良いマスクを着けると、ウィルスの侵入を防げないのではないかというのが、私のようなド素人の疑問です。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『銀座旋風児』です。

 

銀座の装飾デザイナー二階堂卓也は、痛快に不正を暴くヒーローなのである。1959年公開作品。監督は野口博志で、出演は小林旭、浅丘ルリ子、青山恭二、白木マリ、稲垣美穂子、南風夕子、宍戸錠、芦田伸介、西村晃、藤村有弘、菅井一郎。

 

正式タイトルは『二階堂卓也 銀座事件帖 銀座旋風児』で、旋風児は「マイトガイ」と読みます。本作と同年に『ギターを持った渡り鳥』が公開され、「マイトガイ」シリーズと「渡り鳥」シリーズによって、小林旭はスターの地位を確固たるものにしていきます。

 

本作と『ギターを持った渡り鳥』では、小林、浅丘ルリ子、宍戸錠のキャスティングが重複しています。同一シリーズ内でキャスティングが固定されることはあっても、異なるシリーズ間でキャスティングが固定されるのは珍しいことです。

 

撮影当時20歳だった小林がシュッとしてスマートです。現在81歳の小林が見せる、どっしり貫禄ある姿とは、大きなギャップがあります。その小林が現実離れしたヒーロー二階堂卓也を真剣に演じます。近年のアメコミ実写化作品の方が、まだリアリティーがあると感じるほど、現実離れしています。

 

本作の原作も脚本も川内康範です。本作の悪役を軍の財産を横領し、戦後中国人になりすました旧日本兵の堀田剛造(芦田伸介)として、劇中で彼を「売国奴」と呼ぶのは、民族派に近いとされる川内の思想を反映したものです。これに比べると、時折インターネットで見かける「芸術(または音楽)に政治を持ち込むな」という主張が甘っちょろいものに感じられるのです。

 

★★☆☆☆(2020年6月1日(月)DVD鑑賞)

 

 

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