【映画評】エルストリー・コーリング | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。緊急事態宣言解除を前倒しにしたのは、自由に外出できない安倍昭恵が痺れを切らしたからという説も捨てがたいです。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『エルストリー・コーリング』です。

 

テレビ創成期の娯楽番組と、それを観る家庭の様子を描く。1930年製作のイギリス映画で、日本劇場未公開作品。監督はエイドリアン・ブラネル、アルフレッド・ヒッチコック、アンドレ・シャルロ、ポール・マレイで、出演はウィル・フィフィー、シシリー・コートニジー、ジャック・ハーバート、トミー・ハンドリー、アンナ・メイ・ウォング。

 

4人の共同監督による作品で、若きアルフレッド・ヒッチコックはテレビを観ている家庭のパートを担当しています。ヒッチコックは舞台演出も笑いを取るのも苦手なので、適当な役割分担であると言えます。

 

イギリスの国営放送BBCがテレビの実験放送を開始したのは1929年です。1930年に作られた本作は当時の最先端トレンドを題材にしていたのです。本作の画面は全体的にモノクロ(白黒)ですが、一部にカラーがあります。これも時代の最先端を意識した演出でしょう。

 

劇中で放送される娯楽番組は、次々とネタを見せる構成です。今ならば『エンタの神様』が同様の構成を用いています。ネタの内容は意外と毒気の強い笑いが多く、今ならば黒人差別に当たるブラックフェイス(白人が顔を黒く塗って黒人を演じること)も登場します。

 

後にテレビが映画から娯楽の王様としての地位を奪ったことを思えば、映画が後発メディアであるテレビをどう見ていたかを知ることができる本作は、歴史的価値のある作品なのです。

 

★★☆☆☆(2020年5月4日(月)DVD鑑賞)

 

 

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