どうも。「コロナを吹き飛ばせ!」は、戦時中の「吹けよ神風!」みたいなものですね。難局を乗り切るのに必要なのは、オカルトじみた精神論ではなく、科学的根拠のあるデータに基づく合理的思考です。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』です。
愛子のパンティを被って変態仮面となり、悪と戦う狂介。しかし、狂介と愛子の思いは徐々にすれ違い、愛子は狂介にパンティを返してもらうことに。同級生の真琴正は、気付かぬうちに愛子を傷つける狂介を、憎しみの目で見つめていた。愛子のパンティを失った上、世界中からパンティが消えるという事件が発生し、絶体絶命に陥る変態仮面の前に、最強の敵が出現する(映画.comより引用)。2016年公開作品。監督は福田雄一で、出演は鈴木亮平、清水富美加、柳楽優弥、ムロツヨシ、水崎綾女、皆川猿時、片瀬那奈、池田成志、安田顕。
実写化不可能と言われた、あんど慶周の原作漫画を実写化した『HK/変態仮面』の続編です。前作はPG12指定(12歳未満は保護者の助言・指導が必要)なのに、本作はG指定(全年齢鑑賞可)になっています。内容の過激度は変わっていない気がしますけど。映倫さん、大丈夫ですか?
色丞狂介役の鈴木亮平、姫野愛子役の清水富美加、大金玉男役のムロツヨシなど主要キャストは前作から継続しています。そこに柳楽優弥、水崎綾女、皆川猿時など新キャストが加わっています。福田雄一監督作品常連の佐藤二朗は何故か不在です(前作の怪人役で倒されたから?)。
前作から継続しても、異なる役で出演しているのは安田顕です。前作よりステージが上がった変態演技を見せてくれます。ロケ番組で女子アナウンサーが鼻をかんだティッシュを平然と口の中に入れた安田は、そこらの変態とはレベルが違います。
前作と同様、オープニングから『スパイダーマン』のパクリです。変態仮面の目元や武器である縄の使い方も、しっかりとパクっています。その悪ふざけした設定の下、演技力のある役者が真剣に演じるから、面白さが生まれます。
福田監督流のコントみたいな芝居が、所々に入ります。真面目な映画ファンから批判されがちですが、私は嫌いではありません。これが福田監督のオリジナリティーです。このオリジナリティーを貫くため、彼は漫画実写化作品を多く手掛けながらも、シリアスな原作を選んでいません。それを選んでしまうと、原作ファンに猛バッシングされますから。
本作のラストには、本家である『スパイダーマン3』に登場するヴェノムらしきものが現れます。これは続編制作を匂わせているのでしょう。しかし、鈴木がNHk大河ドラマ主演俳優にランクアップし、清水が信仰上の理由で「千眼美子」になってしまった今では、続編制作は不可能になりました。せめてキャストを一新し、本家である『アメイジング・スパイダーマン』に倣って、『アメイジング変態仮面』を再スタートさせるしか手はないのです。
★★★☆☆(2020年2月13日(木)DVD鑑賞)
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