どうも。自衛隊の中東派遣は「調査・研究目的」であって、断じて石油タンカーの護衛ではありません。その目的だから軽装備で危険なのです。それを知らずに中東派遣賛成しているのは、安全圏から勇ましく吠える人でなしのバカですね。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『旗本退屈男』です。
仙台藩伊達家の御家騒動に早乙女主水之介が乗り込んで悪を裁く時代劇。1958年公開作品。監督は松田定次で、出演は市川右太衛門、中村錦之助(萬屋錦之介)、大川橋蔵、東千代之介、里見浩太郎、北大路欣也、桜町弘子、花柳小菊、長谷川裕見子、進藤英太郎、山形勲、薄田研二、横山エンタツ、杉狂児、大友柳太朗、大河内傳次郎、月形龍之介、片岡千恵蔵。
人気時代劇シリーズ第23作にして、市川右太衛門映画出演300本記念作品です。それを祝って、当時の東映オールスターキャストになっています。このキャスティングだと、里見浩太郎と北大路欣也が若造扱いになります(半世紀も前の作品ですからね)。
悪だくみに加担する国目付・榊原監物役の薄田研二が、菅義偉官房長官に似ています。悪い顔というのは、いつの時代も変わりません(薄田は新劇運動の指導者で、日本共産党員だったのだから面白いものです)。
本作は娯楽性を追求したファンタジーです。主水之介の派手な柄の着物がシーンごとに変わっていることからも、それは分かります。旅先に高価な着物を何着も持って行けるわけがありません。本シリーズと同時代に、黒澤明が『七人の侍』や『用心棒』でリアリズム重視の時代劇を追求していました。これが時代劇というジャンルの幅の広さを表しています。
松田定次監督は多くの時代劇映画を手掛け、1956年の『赤穂浪士 天の巻・地の巻』でオールスター時代劇も経験しています。その松田監督をもってしても、スター俳優それぞれに見せ場を用意し、それを108分という上映時間に収めるのは難しかったのでしょう。どこか駆け足で、取っ散らかったような印象を残す作品です。
★★★☆☆(2020年1月6日(月)DVD鑑賞)
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