どうも。安倍晋三首相に「トカゲの尻尾切り」をされた、森友学園元理事長の籠池泰典と同じく、元TBS記者の山口敬之の周囲から自称愛国保守の人々(別名:安倍友)が掌返しして、逃げています。この卑怯者どもの処世術は真似したくありませんね。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『土竜の唄 香港狂騒曲』です。
潜入捜査官「モグラ」として凶悪な犯罪組織・数寄矢会に潜り込んだ菊川玲二。思いがけず日浦組の若頭に就任してしまった彼は、捜査の最終ターゲットである数寄矢会会長・轟周宝から、極悪非道なチャイニーズマフィア・仙骨竜の撲滅と、周宝とその娘である奇跡の処女・迦蓮の身の安全を守るよう命じられる。一方、警視庁ではエリート警察官の兜真矢が組織犯罪対策部課長に就任。警察官とヤクザの癒着撲滅を目指す兜は、玲二の逮捕に向けて動き出す(映画.comより引用)。2016年公開作品。監督は三池崇史で、出演は生田斗真、瑛太、本田翼、古田新太、菜々緒、上地雄輔、仲里依紗、吹越満、遠藤憲一、皆川猿時、岩城滉一、堤真一。
高橋のぼる原作漫画を、三池崇史監督&宮藤官九郎脚本&生田斗真主演で実写化した映画『土竜の唄 潜入捜査官 REIJI』の続編です。三池監督とクドカン脚本なので、悪ふざけが効いたギャグを所々に入れています。
菊川玲二役の生田が、吹っ切れたハイテンション演技を見せてくれます。全裸と変顔がOKのジャニーズは、生田だけではないでしょうか。その変顔は、『マスク』のジム・キャリーをCG無しで超えてやろうと意気込んで演じたのではないかと思うほどです。
生田に負けじとばかりに、玲二の恋人・若木純奈役の仲里依紗、轟周宝(岩城滉一)の娘・轟迦蓮役の本田翼、仙骨竜の殺し屋・胡蜂役の菜々緒がパンチラも厭わぬ思い切った演技を見せます。特に菜々緒は、かなり酷い目に遭います。それでも、かつて『DEAD OR ALIVE 犯罪者』で甲賀瑞穂をウンコプール(本物ではありませんが)に沈めた三池監督なので、まだ良い方です。三池作品では、男でも女でも酷い目に遭うという、一種の男女平等が貫かれています。
この男女平等思想のように、三池作品は監督本人のセンスに基づくクセが強く、好き嫌いが分かれます。古くからのファンは、そのクセに慣れていますが、初心者は拒否反応を示すことがあります。そんなカルト監督なのに、何故か漫画やアニメの実写化作品を任されて、原作ファンから大バッシングされることが多々あります。これは、三池監督の作風を知らず、単に「海外でも評価されている」という事実だけを見て、オファーを出した製作サイドに原因があります(しかも、海外で評価されているのはカルト性であって、それはマーケティング的にはマイナス要素です)。
それでも、三池監督のセンスが原作に一致すれば、出来が良い作品になります。具体的には、『殺し屋1』や『クローズZERO』は良くても、『テラフォーマーズ』はダメという結果です。Vシネマから監督キャリアをスタートさせた三池監督なので、ヤクザやヤンキーが出てくる作品にハマり、オタク的センスが強めの作品にハマらないという傾向はあります(そうは言っても、Vシネマ時代の三池監督はベタな王道ヤクザ映画を撮らず、『FULL METAL 極道』のような異端のヤクザ映画を撮っていましたが)。
本作もヤクザが出てくる映画なので、三池監督のセンスにハマっています。それ故、コメディ色を強めにした、決して正統派ではない異端のヤクザ映画に仕上がっています。
三池監督は、まだ『仁義なき戦い』のようなド直球のヤクザ映画が全国劇場公開された時代に育ちました。その頃と違い、全国劇場公開されるヤクザ映画は減り、Vシネマという「日陰」に追いやられ、コンプライアンスがうるさい現在では、堂々と「日の当たる場所」にいることは難しくなりました。本作のようにデフォルメされたコメディという形でも、全国劇場公開されるヤクザ映画を作ることは、虚構上のヤクザであっても許さない時代に対する、三池監督なりの抵抗なのです。
★★★★☆(2019年12月9日(月)DVD鑑賞)
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