梅宮辰夫さん死去 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

俳優の梅宮辰夫氏が12日、死去した。81歳だった。◆梅宮辰夫(うめみや・たつお)1938年(昭13)3月11日、満州(現中国東北部)ハルビン生まれ。日大法学部中退。58年に東映ニューフェース5期生に合格。翌年に映画「少年探偵団 敵は原子潜航艇」で俳優デビュー。「不良番長」シリーズ、「帝王」シリーズ、「仁義なき戦い」シリーズなどで東映の黄金期を担う。テレビは「前略おふくろ様」「スクール☆ウォーズ」「特命係長・只野仁」など多数出演。趣味は釣り、料理。174センチ。娘はタレントの梅宮アンナ(日刊スポーツより引用)。

 

梅宮さんが亡くなったことは、日本映画黄金期の当事者であったスター俳優が、また一人いなくなったことを意味します。『仁義なき戦い』シリーズのメインキャストで存命中の東映出身男優は、北大路欣也と千葉真一しかいないのではないでしょうか(小林旭と宍戸錠は日活出身)。

 

俳優としての梅宮さんは、役を演じるというより、梅宮さん本人の素材で勝負していました。私生活での女遊びを活かしたのが『不良番長』シリーズで、趣味である料理の腕を活かしたのがテレビドラマ『前略おふくろ様』です。

 

島田紳助がヤクザとの交際で芸能界を引退した頃、梅宮さんは自身もヤクザと交際があったことを公言していました。ヤクザと飯を食い、ヤクザと酒を飲むことによって、ヤクザが発する空気のようなものを吸収し、それでヤクザ役を演じていたと語っていました。『仁義なき戦い』シリーズ等で見せた凄みのあるヤクザ演技は、そうして身に着けたものだったのです。

 

それならば、梅宮さんの出演作に時代劇が少ないのは納得できます。梅宮さんに本物の侍と飯を食い、酒を飲む機会はなかったのですから。

 

日本映画界が斜陽期に入ってから、梅宮さんはテレビのバラエティー番組に数多く出演してきました。そこでも梅宮さんの流儀は活かされました。昨今のバラエティー番組はコントではなく、フリートークを中心とする作り方が主流です。すなわち役を演じることより、己を曝け出すことに長けた方が重宝されます。梅宮さん本人の素材で勝負するスタイルは、バラエティー番組に適していたのです。

 

テレビ出演をメインの仕事にしながらも、梅宮さんは映画に強い思いを抱いていました。梅宮さんは映画界や芸能界の衰退を見届けるために生き、亡くなってから、その有様を天国にいる先達(鶴田浩二、高倉健、菅原文太等)に報告しなければならないと語っていました。梅宮さんは、今その報告をしているのでしょうね。

 

梅宮さんのご冥福をお祈りします。

 
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