【映画評】山田村ワルツ | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。安倍晋三は、石原慎太郎に憧れながらも『「NO」と言える日本』人になれず、昭恵夫人、支持団体(日本会議、統一教会)だけでなく、反社会的勢力からの要求も断れなかったから、桜を見る会の招待枠が、あのザマになってしまったのでしょう。総理大臣失格です。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『山田村ワルツ』です。

 

深刻な嫁不足に悩む山田村を舞台に独身の青年団が起こす集団見合い劇を描く(映画.comより引用)。1988年公開作品。監督は金子修介で、出演は天宮良、米山善吉、我王銀次、上杉祥三、西川弘志、小沢なつき、小川菜摘、米米クラブ、北林谷栄、常田富士男、浜村純、ハナ肇。

 

昭和末期に作られたコメディ映画です。『私をスキーに連れてって』など一連のホイチョイ・プロダクション製作作品と同じ、一色伸幸が脚本を書いているので、バブリーな軽さがあることは否めません。21世紀を生きる現代人が観れば、センスの古さに失笑するシーンもあります。

 

山田村を訪れる天才少女作家役を演じた小沢なつきが、後にアダルトビデオ出演するとは当時の誰も想像できなかったでしょう。主人公(天宮良)の妹役を演じた小川菜摘が、後にダウンタウン浜田雅功の嫁になることも同じです。それを思えば、本作の見方が変わってきます(小川のランジェリー姿を見ることができます。誰得?)。

 

村のイベントに呼ばれる東京のバンド役は、米米クラブ(現在は米米CLUB表記)です。彼らが後にミリオンセラーのヒット曲を出すことも予想できなかったはずです。本作ではコミックバンド扱いの米米クラブが、村長役のハナ肇と共演しているのは、クレージーキャッツと同じ路線を期待されていたのかと良からぬ想像をしています(ジェームス小野田がハナで、カールスモーキー石井が植木等?)。

 

山田村のド田舎描写はデフォルメが効き過ぎ、現実味がありません。それを実写化できたのは、後に平成『ガメラ』三部作や『デスノート』二部作の実写化に成功する金子修介監督のオタク的感性があったからこそです。金子監督は美少女好き(悪く言えば、ロリコン趣味)でもありますが、その欲求は小沢演じる天才少女作家のキャラクターで満たされています。

 

デフォルメが効き過ぎであっても、地方の過疎化という深刻な現実的問題は提示されています。都会人である天才少女作家が田舎に過度の幻想(自然豊かで非文明的な理想郷)を抱くとか、若者主導ではなく村長ら年寄りが企画した村興しイベントは失敗するとか、ありがちな事実も押さえられています。結局、平成の30年間で地方の過疎化という問題は何ら改善されていないと分かるのです。

 

ところで、本作の製作総指揮は、人材派遣企業パソナグループの創業者である南部靖之です。農村部の人手不足を訴え、農業労働者の派遣促進に利用するため、本作を作ったのではないかと邪推してしまいます。

 

★★★☆☆(2019年11月20日(水)DVD鑑賞)

 

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