【映画評】パシフィック・リム アップライジング | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。「桜を見る会より重要なことを議論しろ!」と野党批判している人は、国会には各種の委員会があり、そこで重要法案を審議中であることを知らないのでしょうか。賢いふりしてバカがバレてしまうサンプルですね。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『パシフィック・リム アップライジング』です。

 

自らの命と引き換えに人類を救った英雄スタッカーを父に持つジェイクは、父とは別の道を歩んでいたが、KAIJUに復讐心を燃やす少女アマーラと出会ったことをきっかけに、義姉である森マコと再会。マコの説得により、一度は辞めたイェーガーのパイロットに復帰することになるが……(映画.comより引用)。2018年日本公開作品。監督はスティーブン・S・デナイトで、出演はジョン・ボイエガ、スコット・イーストウッド、ジン・ティエン、ケイリー・スピーニー、菊地凛子、バーン・ゴーマン、アドリア・アルホナ、マックス・チャン、チャーリー・デイ、新田真剣佑。

 

巨大ロボット(イェーガー)と巨大怪獣(KAIJU)の戦いという、本来ならば日本が得意とする題材をギレルモ・デル・トロ監督により傑作に仕上げたのが、前作『パシフィック・リム』です。その前作から10年後の世界を描くのが本作です。

 

森マコ役の菊地凛子ら前作から続投している出演者もいますが、ほとんどが初出演のキャスティングです。主人公ジェイク(ジョン・ボイエガ)の相棒となるネイト役を演じるスコット・イーストウッドは、クリント・イーストウッドの息子です。スコットが黒人であるジェイクとコンビを組むのは、父クリントがモーガン・フリーマンとコンビを組んだ『許されざる者』のオマージュでしょうか。二世俳優では、千葉真一の息子である新田真剣佑がパイロットのリョーイチ役で出演しています。しかし、出番が少ないので記憶に残りません。

 

デル・トロが日本のアニメや特撮を愛好していることが、前作を創り出す原点でした。それ故、前作に引き続き、日本に敬意を払う内容になっています。基地内の掲示物が漢字表記であったり、KAIJUとの最終決戦の舞台が東京であったりします。東京の街中では、あの超有名モビルスーツがカメオ出演しています。

 

日本に限らず、中国もストーリーに大きく関わります。登場人物の人種や民族が様々であり、それらが共存している多様性は、『ブレードランナー』から続く、ハリウッドが理想とする未来社会の形です。

 

ところが、その多様性は本作の欠点でもあります。前作では、各々のイェーガーとパイロットが出身国でキャラクター付けされ、その個性が団結してKAIJUに立ち向かう面白さがありました。各国のお国柄についてのパブリックイメージを利用し、キャラクター説明を簡略化するテクニックを用いています。

 

しかし、本作では人種や民族の混交が進んだ社会を描いているので、お国柄が強調されず、登場人物のキャラクター付けが弱くなります。キャラクター説明をするにも、登場人物が多く、上映時間の尺が短いので、不十分になっています。結果として、個性が弱い登場人物たちが団結して戦っても、感情移入しづらく、どうにも突き抜けない凡作になってしまった感があるのです。

 

★★★☆☆(2019年11月18日(月)DVD鑑賞)

 

 

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