【映画評】マンクスマン | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。日本では主権者たる国民が「主人」で、国会議員や内閣総理大臣は「下僕」です。偉いのは国民であって、そこを勘違いしてはいけません。もし下僕(総理大臣)が御主人様の金庫にある大金(税金)を使い込み(私物化)すれば、クビ(辞任)になって当然だということは、毛の生えた大人だったら理解できますよね。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『マンクスマン』です。

 

漁師のピートは宿屋の娘ケイトと結婚の約束をして、外国に旅立つ。しばらくしてピートが死んだという手紙が届き、ケイトはピートの親友である裁判官フィリップと交際し始める。そこに死んだはずのピートが生きて帰って来るという三角関係のメロドラマ。1929年製作のイギリス映画で、日本劇場未公開作品。監督はアルフレッド・ヒッチコックで、出演はカール・ブリッソン、マルコム・キーン、アニー・オンドラ、ランドル・エアートン。

 

イギリス時代のアルフレッド・ヒッチコック最後のサイレント映画で、マンクスマンとは「マン島の男」という意味です。マン島はイギリス王室属領でありながら、自治権を有し、イギリスと異なる文化様式があるそうです。日本に置き換えれば、沖縄を舞台にした物語という感じでしょうか(沖縄は正式な日本の一部ですが)。

 

ヒッチコック監督が若い頃なので、後年のようなテクニックは見られません。それでも、窓や扉の格子越しに中を覗き見る主観ショットが用いられており、この窃視感覚は『裏窓』に通じるものがあります。

 

後にサスペンスの巨匠となるヒッチコック監督ですが、本作では誰も殺されず、誰も死ぬことがありません。しかし、帰ってきたピート(カール・ブリッソン)の前でフィリップ(マルコム・キーン)とケイト(アニー・オンドラ)が秘密を隠そうとしたり、ピートが結婚したケイトに逃げられ、そのケイトがフィリップに捨てられたりという人間関係は、観客に緊張感を与えるという意味で、一種のサスペンスでもあるのです。

 

★★☆☆☆(2019年11月14日(木)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

パブリック・ドメインなので、YouTubeで無料鑑賞することもできます(日本語字幕無し)。

 

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