どうも。神仏を信じない私でも、ここ最近の天災続きは、神と呼ばれるものが「東京オリンピック止めれ」と警告しているように思ってしまいます。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『劇場霊』です。
女貴族の生涯を描いた舞台に出演することになった若手女優の水樹沙羅。配役をめぐって女優同士の争いが繰り広げられる中、小道具として使われる球体関節人形が持ち込まれたことをきっかけに、女性スタッフの変死など劇場内に異変が起こり始める。主演女優の篠原葵も転落事故で意識不明の重体に陥ってしまい、沙羅は代役として主演を務めることになるが、ある日の稽古中、舞台上で人形が動き出すのを目撃する。ただならぬ気配を感じた沙羅は、美術スタッフの和泉とともに人形を制作した作家を訪ねるのだが……(映画.comより引用)。2015年公開作品。監督は中田秀夫で、出演は島崎遥香、足立梨花、高田里穂、町田啓太、中村育二、小市慢太郎。
タイトルからして、中田秀夫監督の傑作ホラー映画『女優霊』を意識していることは明らかです。同作で主演した柳憂怜が本作にも端役で出演していますから(というか、柳は中田監督作品の常連俳優ですが)。
主演は当時AKB48メンバーだった島崎遥香です。「塩対応」で有名だった彼女は、本作でも表情の変化に乏しい演技を見せます。個人的な好みから、島崎より足立梨花を贔屓して観ました。私は足立の世間的評価の低さに納得していない人間です。
『女優霊』や『リング』で名を馳せた中田監督ですが、本作では、その実力を疑問視させるホラー演出になっています。人形がカクカク動きながら襲って来るシーンは、笑いを取るためなのかと思うほどです。『貞子VS伽椰子』のようなコメディ路線でもないので、ホラー映画としては欠陥品とされても已むを得ません。
むしろ本作の企画がAKB48総合プロデューサーの秋元康であることから、「AKB48映画」として観れば正しいのかもしれません。舞台の主役をめぐって若い女優たちが競い合う設定は、センターのポジションをめぐってメンバーたちが競い合うAKB48を反映したものです。
そして本作のラストシーンは、人形を偶像、即ちアイドルと見立て、島崎に脱アイドルの道を促すメッセージを込めていると解することができるのです。
★☆☆☆☆(2019年10月4日(金)DVD鑑賞)
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