【映画評】ふるさと物語 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。あいちトリエンナーレの「表現の不自由展」は、その再開に反対する無知無教養な権力者、河村たかし名古屋市長の7分間座り込み抗議が「展示物」に加わることによって、そのテーマを更に明確化できました。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『ふるさと物語』です。

 

落選した元上院議員が帰郷して新聞編集者になり、地元の大企業を叩くキャンペーンをする社会派ドラマ。1951年製作で日本劇場未公開作品。監督はアーサー・ピアソンで、出演はジェフリー・リン、ドナルド・クリスプ、マージョリー・レイノルズ、アラン・ヘイルJr、マリリン・モンロー。

 

『ふるさと物語』という牧歌的な邦題は、『Home town story』という原題を直訳したものです。昔の洋画は日本語の邦題が主流でしたが、ここまでストレートな日本語訳は珍しいです(最近の洋画は原題そのままが多いですね)。

 

マリリン・モンローが新聞社の事務員という脇役で出演しています。ボディラインを強調するタイトな衣装に身を包んで演技するのは、観客のエロを刺激するためでしょう。『芸能人水泳大会』の水着ポロリ要員や、『志村けんのバカ殿様』で脱がされる腰元役と同じ役割です。売れる前のモンローは、そんな扱いだったのです。

 

元上院議員のブレイク(ジェフリー・リン)が新聞というメディアで地元の大企業マクファーランド社を叩くのは、同社の社長の息子に選挙で敗れたという私怨からです。そして同社を叩き、社長の息子をイメージダウンさせることによって、選挙に再出馬して返り咲きを果たそうとする野心からでもあります。社会正義を説く者が、実は私利私欲を動機とする姿は、ワイドショー番組のコメンテーターを見る時の参考になります。

 

本作の出来は凡庸ですが、61分間という尺の短さなので、得をしたとも損をしたとも言えない微妙な感じを残します。

 

★★☆☆☆(2019年9月14日(土)DVD鑑賞)

 

 

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