“おかっぱ界のカリスマ女”こと木村カエラのニューアルバム『いちご』を聴きました。
デビュー15周年だから「いち(1)ご(5)」なのでしょう。真正面からの潔いダジャレです。
全11曲入りで、ロックからポップまで多彩な楽曲になっています。曲ごとにプロデューサーが異なり、各自の色が出ているからです。それでもカエラが全体をプロデュースしているので、カエラ色なるものは一貫しています。
そのカエラ色なるものは、カエラが作詞することによって生まれます。しかし、本アルバムでは1曲だけカエラが作詞していません。それは初っ端の1曲目の『Continue』であり、あいみょんが作詞&作曲しています。
端々で韻を踏んだ歌詞は、確かにカエラ色とは異なります。そして「増えたシワの数」や「おばさんになったこと」という歌詞から、24歳のあいみょんが客観的に想像した、35歳のカエラの心情を表現したものだと分かるのです。カバー曲を除けば、カエラは自身の主観的な心情を歌ってきました。そのカエラがアルバムの1曲目にパターンを外した作品を持ってきたのは冒険です。
2曲目からは全てカエラの作詞によるので、カエラ色が強くなってきます。この構成は、1曲目で客観的・外面的な現実を提示し、2曲目から徐々に主観的・内面的なカエラの心情へと導入していく手法です。それは、アルバムの最後にある表題曲『いちご』において、カエラが作詞のみならず作曲も手掛け、最もカエラ色を強く出していることに表れています。
このような技巧を凝らすカエラにデビュー15周年の経験を見ることができます。それでありながら、歌詞カードの片隅で「saku2 all staff」に感謝の気持ちを表し、デビュー前、tvk(テレビ神奈川)の音楽番組『saku saku』に出演していた頃の初心を忘れていません。
そんなカエラを『saku saku』時代から見続けている私は、まだカエラから目を離せません。
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