【映画評】THE DEVILISH TENANT | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。小泉進次郎と滝川クリステルが結婚して、おめでたいからという理由で自民党の政党支持率が上昇したら、日本はお終いです。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『THE DEVILISH TENANT』です。

 

アパートに引っ越してきた男のスーツケースから家具が次々と出てくる不思議な短編映画。1909製作で、おそらく日本劇場未公開作品。監督と出演はジョルジュ・メリエス。

 

“世界初の職業映画監督”と称されるジョルジュ・メリエスが作ったサイレント短編映画です。男のスーツケースから大きな家具が出て、やがて人間まで出てきます。当時の観客は魔法を見せられた気持ちだったでしょう。

 

しかし、現代となっては、カット同士をつなぐ編集技術によるものだと分かります。言わば「映画の魔法」です。

 

興行師でもあったメリエスにとって、映画は見世物であり、観客を楽しませるサービス精神が第一です。本作は一見するとカラー作品のようですが、製作当時、まだカラーフィルムは発明されていません。メリエスが白黒フィルムに手塗りで着色したのです。これもまたサービス精神の表れです。

 

映画は時代の変遷とともに見世物だけでなく、歴史的記録や芸術作品など目的が多様化してきました。それでも、VFX技術の発達により驚くほどリアルな映像が作られたり、3Dどころか4DXにより臨場感溢れる映像体験をしてもらったりと、観客にサプライスを与えようとするサービス精神は、現代でも残っています。そして、それはメリエスからの伝統なのです。

 

★★☆☆☆(2019年7月26日(金)インターネット配信動画で鑑賞)

 

パブリック・ドメインなので、YouTubeで無料鑑賞することができます。

 

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