【映画評】博徒列伝 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。暴力団員は金融機関に口座を開設できないので、自宅の金庫に現金を保管しておくそうです。すると、同業者がそれを奪いに来ることがあるそうです。無法地帯のバトルロイヤルですね。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『博徒列伝』です。

 

昭和初期、大木戸一家の二代目を弟分の川田に譲った若勇は、若松組組長として大木戸一家を支えていたが、愚連隊の監獄一家が若勇の縄張りに現れてから、事態は若勇の望まぬ方向へと進んでいく。1968年公開作品。監督は小沢茂弘で、出演は鶴田浩二、若山富三郎、藤純子、待田京介、菅原文太、河津清三郎、大木実、北島三郎、高倉健。

 

劇場公開日が1968年12月28日の正月映画なので、出演者が豪華です。任侠映画版『アベンジャーズ』というか、北島が出演していることもあり、「まつり」状態です。公開時の同時上映が高倉主演の『新網走番外地』だったので、健さんファンは二本続けて観れば、大満足したでしょう。

 

本作のようなオールスター映画では、各スターに見せ場を作る必要があるので、ストーリー展開が強引になり、散漫な印象になることがありがちです。しかし、そこは名脚本家である笠原和夫の手によって、最低限の「交通整理」がされており、無理が少なくなっています。

 

更に制作当時、既にベテラン職人監督だった小沢茂弘が演出しているので、おそらく何かと我が強いスターをコントロールできていたのでしょう。それ故、作品としてはまとまっています。しかし、ベテラン監督なので、演出に古臭さを感じます。

 

そうは言っても、任侠映画の基本を押さえた娯楽作品として、十分に楽しめるレベルにあります。現実の反社会的勢力と関わるのは嫌でも、本作で描かれるヤクザたちの物語をファンタジーとして楽しむ大人の分別を持ちましょう。

 

★★★☆☆(2019年7月5日(金)DVD鑑賞)

 

 

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