【映画評】黒薔薇昇天 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。イランの「革命防衛隊」は「防弾少年団」に響きが似ていますよね。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『黒薔薇昇天』です。

 

法の網をくぐりながらブルー・フィルム作りに涙ぐましい努力をはらう男たちの哀感を描く(映画.comより引用)。1975年公開のにっかつロマンポルノ作品。監督は神代辰巳で、出演は岸田森、谷ナオミ、芹明香、谷本一、高橋明、庄司三郎、山谷初男、牧嗣人、東てる美。

 

テレビドラマ『傷だらけの天使』にも出演していた岸田森が主演のポルノ映画です。同ドラマには神代辰巳が演出した回があるので、その縁で出演したのでしょう。岸田は髪が多い方ではなく、気にしていたそうですが、本作の途中で、突然ヅラを被り、場面が変わると何事もなかったかのようにヅラを外していたのは謎です。

 

和装の美女である幾代役の谷ナオミが濡れ場も含め、物凄く艶っぽい演技を見せます。熟れた大人の女が発する魅力ですが、谷は当時27歳です。近頃の27歳前後の女優には出せない大人の魅力です。日本の女は何時から幼くなったのでしょう。

 

神代監督はロマンポルノも撮れば、一般映画やテレビドラマも撮るというボーダーレスな活躍をしていました。活躍の場が変わっても、個性的な演出によって自身の作品だと「刻印」しています。本作でも長回し、呟くような台詞、既成曲の使用によって、神代辰巳の映画にしています。

 

岸田が演じる十三は、映画監督として映画論や芸術論に言及します。これが神代監督の映画論や芸術論にも聞こえてきます。神代監督は本作の脚本も書いていますから。映画人は、映画制作の舞台裏を描くような「映画についての映画」を撮るのを好みます。本作もまた、そうした「映画についての映画」の一種なのです。

 

★★★☆☆(2019年6月4日(火)DVD鑑賞)

 

 

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