どうも。「熊殺し」なんて今ならば動物愛護団体から猛クレームが来そうなキャッチコピーだなぁと思いながら、空手家ウィリー・ウィリアムスさんにRest in peaceです。
さて、映画の感想文を書きます。今回は『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』です。
超大型巨人によって破壊された外壁の修復作戦に出発したエレンたち調査兵団は、巨人の襲撃によって窮地に陥る。エレンも深手を負った上に、仲間のアルミンをかばって巨人に飲み込まれてしまい、その場にいた誰もが絶望の淵に立たされる。しかしその時、謎の黒髪の巨人が現れ、他の巨人たちを駆逐しはじめる(映画.comより引用)。2015年公開作品。監督は樋口真嗣で、出演は三浦春馬、長谷川博己、水原希子、本郷奏多、三浦貴大、桜庭ななみ、松尾諭、草彅剛、緒川たまき、石原さとみ、ピエール瀧、國村隼。
※この感想文は、原作の単行本を10巻程度しか読んでいない、原作に大して思い入れのない男が書いていることを事前にご了承ください。
大人気漫画の実写化二部作の後編で、公開当時、前作以上に原作ファンに酷評された作品です。原作ファンではない私からすれば、それほど出来は悪くありません。しかし、後編ならではの欠点が出ていることを否めません。
二部作でも三部作でも、後編または完結編となれば、それまで広げた大風呂敷を畳まなければなりません。それ故、展開が強引になったり、台詞が説明的になったりします。『寄生獣 完結編』でも、それらが露わになり、少しガッカリした記憶があります。
それらの欠点がありながらも、VFXのレベルの高さによって、本作は救われています。平成「ガメラ」三部作において、「特技監督」を名乗ったほど、東宝特撮好きな樋口真嗣監督は、本作における巨人同士の格闘シーンに『サンダ対ガイラ』へのオマージュを込めているようです。これらを含むVFXの経験を積み、自信を持った樋口監督と尾上克郎特撮監督が、東宝特撮の頂点にある怪獣映画をリメイクした『シン・ゴジラ』に臨んだと思えば、なかなかドラマティックな流れです(『シン・ゴジラ』において、樋口は監督兼特技監督に、尾上は准監督というポジションに就いています)。
『シン・ゴジラ』にも主要キャストとして出演しているのが、本作でシキシマ役を演じた長谷川博己と、ハンジ役を演じた石原さとみです。本作での漫画的でブッ飛んだ演技が評価されたからでしょうか。本作は、こっそりと『シン・ゴジラ』出演オーディションも兼ねていたようです(嘘)。
前述のとおり、台詞が説明的になるのは、話をまとめる後編だから、やむを得ないとしても、台詞の中身が『CASSHERN』並みに青臭いのが苦手という人もいるでしょう。私個人としては、青臭いのは嫌いではありません。ニヒルな冷笑系を気取って、頭の良いふりをしているバカより、情熱的で青臭い奴の方が信頼できます。
それにしても、本作の酷評を知る度、降板した中島哲也監督による幻の『進撃の巨人』であれば、どうなっていただろうと思います。もしかしたら、中島版の方が面白くなっていたのではないかと、現実に存在しない作品の評価を高めてしまうほどなのです。
★★★☆☆(2019年5月23日(木)DVD鑑賞)
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