
漂流していた女が救助され、語り出したのは無人島での惨劇だったというスリラー映画。2012年製作で、日本劇場未公開作品。監督はジョン・ミルトン・ブラントンで、出演はステファニー・ルムラン、マシュー・アラン、ケイレブ・ソーン、パトリック・バーギン、A・J・ドレイヴン。
出演者のステファニー・ルムランが脚本を、A・J・ドレイヴンが製作総指揮を兼ねているのが、何となく自主映画みたいです。それでも、日本で作られる自主映画より金はかかっていそうです。
脚本も兼ねているルムランが中心人物になって作ったのでしょうか。「ハリウッドには私を女優として活かせる人間はいないの。だから私が自分を活かせる映画を作るわ!」という熱意でもあったでしょう(想像)。やる気のあまり、ルムランは脱ぎも辞さない覚悟を見せます。
上掲DVDジャケット画像では、ルムラン演じるジェシカが恐怖の人体実験を受けているイメージになっています。しかし、劇中にあるのは救助されたジェシカが治療を受けているシーンです。ちょっとズルい使い方です。
正確には、かつて人体実験が行われていた無人島に封印されていた薬物は、人間の潜在的な恐怖心を増幅させる効果があり、無人島を訪れた6人がその封印を解き、服用してしまったが故に、狂気に駆られて殺し合いを始めるという筋書きです。これをジェシカが回想する形で描いていきます。
しかし、無人島へ行くまでの経緯が長く描かれ、終盤の殺し合いも迫力を欠き、スリラー映画としては今一つの出来です。ラストでジェシカの正体が明かされますが、完全に蛇足で意味がありません。あまり期待せずに観るのが良いですね。
★★☆☆☆(2019年3月29日(金)DVDで鑑賞)