第四課 蟻の恩返し。 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

明治二十六年発行の『新撰小學讀本巻五』を紹介します。なお、読み易くするため、地の文は平仮名に統一し、文字化けを防ぐため、漢字は所々新字体に改めます。
 
 
第四課 蟻の恩返し。
 
或日、一疋の蟻、あやまりて小川に落ち込み、次第におしながされて、最早命も危く見えたり。其時一羽の鳩、木の上にありて之を見、大にあはれみて、早速助け舟として、數多の木の葉を落したれば、蟻は之にはひ上りて、やうやく岸に流れ着き、からくも一命助かりて、大に鳩の恩にかんじたり。
其後一人のれふし、てつぱうにて、彼鳩をねらひたる時、蟻はかねての恩をむくいんため、れふしの足にかみ付きたれば、ねらひは外づれて、鳩はぶなんに逃げ去りたり。
イメージ 1
 
【私なりの現代語訳】
 
ある日、一匹の蟻が、誤って川へ落ち、次第に押し流されて、もはや命も危険に見えました。その時一羽の鳩が、木の上からこれを見て、とても憐れんで、さっそく助け舟として、たくさんの木の葉を落としたら、蟻はこれに這い上がって、ようやく岸に流れ着き、からくも一命を助かって、とても鳩に恩を感じました。
その後一人の猟師が、鉄砲で、その鳩を狙っていた時、蟻はかねての恩に報いるため、猟師の足に噛みついたら、狙いは外れて、鳩は無難に逃げ去りました。
 
【私の一言】
 
ちっぽけな虫けらである蟻ですら恩を忘れないのだから、人間は……と諭しています。「アリとの絆」「アリとの友情」と書くと、モハメド・アリとアントニオ猪木の物語みたいですが。
 
にほんブログ村に参加しています(よろしければクリックを!)
イメージ 1