秋田県北秋田市吉田地区には、国道105号線沿いに吉田児童館があります。


児童館としての利用実績は、ほとんどありません。何しろ吉田地区には年寄りばかりで児童が数人しかいませんから。結局「名ばかり児童館」になっています。
「名ばかり児童館」であっても、施設の維持管理費は発生します。決して裕福であるとは言えない北秋田市の財政を考慮すれば、利用者がいない公共施設を抱えるメリットはありません。北秋田市児童館条例を改正し、児童館を解体撤去するのが法律的に筋が通っています。しかし、条例改正も解体撤去費用の予算計上も動きがあるとは噂でも聞きません。
仮に吉田児童館が無くなっても、吉田地区には吉田自治会館(旧阿仁公民館吉田分館)があります。


地区内の行事は自治会館で行われ、選挙時の投票所や災害時の避難場所にも指定されているので、実際のところ、児童館が無くなっても困ることはありません。その自治会館は老朽化が激しく、自治会から市に対して修繕費の補助を要求しているそうです。しかし、今のところ市から補助されたという話は聞きません。
吉田自治会から市に要求しても、何ら動きがないのは、吉田地区を基盤とする市議会議員がいないからだと考えられます。田舎である北秋田市は、市議会選挙において地縁や血縁の影響が大きく、立候補者は誰の親戚か、どこの分家かが未だに重要視される前近代的な土地柄です。そして当選した市議会議員は基盤とする地区を代表し、地区住民の利益のために尽力するのです。吉田地区を基盤とする市議会議員がいなければ、吉田地区への利益誘導は難しいのです。
「いや、市議会議員は限定的な『地区』住民の利益だけでなく、広く『市』民の利益のために働くものだ」というのは。確かに正論です。しかし、吉田地区を基盤としない、吉田地区住民の親戚でも分家でもない市議会議員が乗り出してきても、吉田地区住民側から反発が生じるのです。それほど前近代的な縁故主義が根強い土地柄なのです。
以上は、秋田県北秋田市吉田地区のミクロな問題です。しかし、他の自治体(特に田舎の自治体)でも類似の問題が生じているのではないでしょうか。それどころか選挙における縁故主義の問題は、国会議員レベルでもありそうですけどね。
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