【映画評】封印された部屋 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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王様が留守の間に不倫をした王妃と宮廷楽人が、王様の怒りを買い、密室に閉じ込められる。1909年製作のアメリカ映画で、おそらく日本劇場未公開作品。監督はD・W・グリフィスで、出演はアーサー・ジョンソン、マリオン・レナード、ヘンリー・B・ウォルソール、メアリー・ピックフォード、マック・セネット。
 
国民の創生』や『イントレランス』で知られる、初期アメリカ映画の巨匠D・W・グリフィスが監督した約11分間の短編映画です。白黒サイレント映画ですが、ストーリーは単純明快で分かり易いです。
 
原作はエドガー・アラン・ポーの短編小説『アモンティラードの酒樽』です。11分間の尺に合わせて、内容は大幅に脚色されています。復讐相手を煉瓦で封印した密室に閉じ込めるという点しか共通していません。
 
王様(アーサー・ジョンソン)が王妃(マリオン・レナード)と宮廷楽人(ヘンリー・B・ウォルソール)を閉じ込めた後、密室の内と外で別カットになります。内→外→内→外とカット編集することによって、緊張感ある展開を生み出しています。
 
これは今でこそ珍しくない手法ですが、製作当時は画期的な手法だったのでしょう。グリフィスより少し前に活躍したジョルジュ・メリエスの映画を観れば、そのような手法を用いず、ワンカット長回しが多いことが分かります。劇場の興行主でもあるメリエスにとって、映画は舞台の延長上にあるのに対し、映画監督を専業としたグリフィスは、舞台と異なる映画ならではの表現方法に挑戦していたのです。
 
★★☆☆☆(2019年2月4日(月)インターネット配信動画で鑑賞)
 
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