冬の農閑期は室内にいる時間が長く、読書量が増えます。最近読んだのは大坪ケムタ『レスラーめし』(ワニブックス社発行・税別1,600円)です。
これは裏表紙です。


13人と特別対談の2人の計15人のプロレスラーに「めしの話」という切り口で臨んだインタビュー集です。
男子レスラーの場合、新人時代は尋常ではない量のめしを食わされます。新日系では竹刀を持った山本小鉄の監視付きです。女子レスラー(というか全女)の場合、米と薄給しか支給されないので、おかず無しでめしを食わざるを得ない苦労を味わいます。
デビューして先輩レスラーの付き人になると、巡業先で洗濯など雑用があるにもかかわらず、付き合いでめしを食わされます。好きでもない物を命令でたらふく食わされることもあり、今だったらパワハラ案件です。
海外遠征に出ると、異国のめししか食べられません。衛生状態が悪い国だと腹を壊し、アメリカだと毎日パンと肉ばかりで飽きてくるそうです。それで、あれほど嫌々食わされた日本の米のめしが懐かしくなるのです。
スター選手になると、後援者との付き合い、プライベートの外食、後輩レスラーとのコミュニケーションのため、めしにも気を遣います。その上、自分の健康管理のため、日常のめしにも注意しなければならないのが、スターのつらさです。
「めしの話」という切り口からでも、各レスラーのプロレス人生やプロレス哲学が見えてくるので、プロレスファンならば必読の書です。
なお昭和新日ファンならば、伝説の「熊本旅館破壊事件」を現場にいた当事者が断片的に語っているのも気になるところでしょう。
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