
舞踏会から帰って来た淑女が、メイドに手伝ってもらって衣服を脱ぎ、入浴するまでを描くポルノ映画。1897年製作のフランス映画で、日本劇場未公開作品。監督はジョルジュ・メリエスで、出演はジュアンヌ・ダルシー。
“世界初の職業映画監督”と言われるジョルジュ・メリエスが作ったポルノ映画です。内容は上記の説明のとおりで、上映時間は約1分間しかありません。女優の露出は上掲画像の程度であり、現代の基準では大したことありません。当時の観客からすれば、物凄くエロかったのでしょう。
様々な撮影技術を開発したメリエスは、本作でも一工夫を凝らしています。メイドが淑女にかけるのが水ではなく、黒い砂になっているのです。白黒映画で画質が粗いので、水の流れを分かり易くするための工夫かと思われます。透明な水だと見えにくいからですね。
淑女役を演じているジュアンヌ・ダルシーの体型を見ると、昔はこれくらい豊満なのが当たり前だったのかと思ってしまいます。今だったら「デブ専」ジャンル入りする体型です。
このジュアンヌはメリエスと愛人関係にあったそうです。かつて新東宝社長だった大蔵貢は「女優を妾にしたのではなく、妾を女優にしたのだ」という迷言を残しています。メリエスは、こんな点でも映画界の先駆者だったのです。
メリエスが活動していた映画創成期にも、既にポルノ映画が存在していました。家庭用ビデオデッキの普及にはアダルトビデオが、インターネットの普及にはエロ画像サイトが寄与しており、新しいメディアが普及する原動力として、エロというのは欠かせないものなのです。
★☆☆☆☆(2019年1月8日(火)インターネット配信動画で鑑賞)
凄く昔の映画はパブリック・ドメイン化され、無料公開されています。
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