メイウェザーが天心に完勝「RIZIN」7・5%
昨年12月31日にフジテレビ系で放送された「RIZIN.14」(午後6時)の視聴率が2日、第1部(午後6時)5・7%、第2部5・0%、第3部(午後9時30分)6・9%、第4部(午後10時50分)7・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と分かった。
関西地区は、第1部5・3%、第2部5・5%、第3部7・6%、第4部8・2%だった
キックボクシング界の「神童」無敗の那須川天心(20)とボクシングで50戦無敗の元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(41=米国)が、3分3Rのボクシング・エキシビションマッチで対戦。1R2分19秒にメイウェザーのTKO勝ち。メイウェザーが3度のダウンを奪い完勝した。
RIZINバンタム級王座決定戦は、元UFC戦士の堀口恭司(28)が、米格闘技団体ベラトールの現役世界バンタム級王者のダリオン・コールドウェル(30=米国)に3R1分13秒にフロントチョークで一本勝ち。初代王者となった。
女子スーパーアトム級王座決定戦は、浜崎朱加(36=AACC)が浅倉カンナ(21=パラエストラ松戸)が対戦。浜崎が2R4分34秒腕ひしぎ十字固めで一本勝ちして、初代王者となった。
転載元:日刊スポーツ
【ここから私の意見】
NHK紅白歌合戦で桑田佳祐と松任谷由実のツーショットによる圧巻の盛り上がりを見ても、その直前に見た那須川天心TKO負けの衝撃は消えません(エキシビションマッチなので記録上勝敗は付きませんが)。
完全ボクシングルールになったことで、天心の勝ちが100%無くなったことは確信していました。しかし、フロイド・メイウェザーが遊んでフルラウンド9分の引き分けになるかと思いきや、139秒で完勝したのだから驚きです。メイウェザーのファイトマネーは900万ドル=約10億円だそうですから、時給換算すれば200億円を超えています。ニックネームを“マネー”にするだけのことはありますね、メイウェザーは。
RIZIN運営側は、この対戦カードを目玉にして、視聴率を昨年より1%上げることに成功しました。これをフジテレビとの放送権契約更新の交渉材料にするつもりでしょう。しかし、視聴率を1%上げるために10億円かかるというのは、コストパフォーマンスが悪過ぎるような気がします。
本大会で敗れたのは天心だけではありません。浅倉カンナ、山本アーセン、矢地祐介、真珠・野沢オークレアという若い「RIZIN育ち」も敗れています。RENAが減量失敗により失格になったことも併せると、RIZINの今後に暗雲が立ち込めています。
RIZINの今後に光明が見えるのは、堀口恭司がダリオン・コールドウェルに勝利し、初代RIZINバンタム級王者になったことです。打撃が得意な堀口は、コールドウェルのトリッキーなテイクダウンと寝技に苦しんでいました。しかし、相手の得意な寝技であるフロントチョークで逆転勝ちしました。偶然相手の隙をついたのか、それまでの防戦一方が作戦だったのかは本人にしか分からないことです。後者だったら、堀口恐るべしというところです。
また、朝倉未来の試合と朝倉海の試合は気迫と緊張感が伝わってきて、もっと長く放送してもよかったカードでした。重量級のイリー・プロハースカは宝の持ち腐れ感があり、もっと良い対戦カードを組んでやれと思います。
前述した紅白のサザンオールスターズのステージは、確かに圧巻の盛り上がりでした。しかし悪く言えば、サザンとユーミンで盛り上がるというのは、30年前の日本音楽シーンと変わらないノリを見せられているかのようでもあります。
それに対し、天心たち若いRIZIN育ちが本大会で挫折したことは、新しい変化のために再スタートする区切りになったと捉えることができます。私より敗れた本人たちに、そう捉えてもらいたいです。現に天心はSNS上で謙虚かつ前向きなメッセージを発しています。まだ19歳の天心は終わっていません。
挫折を糧にして再スタートする選手たちが輝ける舞台を用意するため、RIZINがフジテレビとの放送権契約も含めて継続してほしいのです(ところでギャビ・ガルシアと神取忍の因縁ドラマは、まだ続けるの?)
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