日本のIWC脱退について思う。 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

IWC脱退「断固たる態度で」 自民・二階俊博幹事長

 
自民党の二階俊博幹事長は21日、鯨の資源管理をしている国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退について「我々は断固とした態度で脱退です」と明言した。自民党本部で記者団に語った。
 
脱退には国際社会からの反発も予想されるが、二階氏は「他国の食文化に文句を言ったり、高圧的な態度で出てきたりする国がありますか。日本がそんなことを他国にしたことありますか」と反論。その上で「本当に厳しい判断を自らに課してこういう行動に出た。並々ならぬ決意だということをご理解いただきたい」と主張した。
 
二階氏の地元・和歌山県では、古くから捕鯨の歴史がある。
 
 
【ここから私の意見】
 
「他国の食文化に文句を言ったり、高圧的な態度で出てきたりする国がありますか。日本がそんなことを他国にしたことありますか」と二階幹事長は言いますが、ネット上では、嫌中派や嫌韓派による犬肉食バッシングがあることを知らないのでしょうか。また、嫌韓派による「韓国のトンスルという酒はウンコで作られている」というバッシングは、お決まりの罵詈雑言です。公私の違いがあっても、日本が他国の食文化に文句を言っている事例です。二階派の桜田義孝オリンピック・パラリンピック担当大臣はパソコンを使えませんが、派閥のトップである二階幹事長もパソコンを使えないのでしょうか。
 
捕鯨は日本古来の文化だから保護すべきであるというのが、捕鯨賛成派の言い分です。それなら捕鯨問題は文化庁の所管であるはずが、実際は水産庁の所管になっています。文化庁が捕鯨文化の保護のために何か積極的に取り組んできましたか。水産庁の管轄であるということは、捕鯨の主たる目的は水産資源の確保ですよね。
 
捕鯨は水産資源の確保を目的とすると言っても、鯨肉の需要は著しく減少しています。高い金を出して鯨肉を食べるくらいなら、同じ金で高級黒毛和牛を食べるのが、今や国民の多数派でしょう。鯨肉を欲するのは、戦後の学校給食などで鯨肉に親しんだ世代です。自分たちのノスタルジーを満たすために、国際社会の反発を招くIWC脱退を支持するのは、わがままでダメな大人ではありませんか。
 
「捕鯨は文化」(こう書くと石田純一みたいですが)であるなら、管轄外であるはずの水産庁が、鯨肉の需要が減少しているにもかかわらず、捕鯨問題にこだわるのは、予算確保のためでしょう。役人は基本的に前例踏襲な体質ですから、前任者が捕鯨に関する事業名目で付けた予算を手放すことをしません。もしかして予算を減額されたくないから、わざとIWCでの議論を膠着状態にしているのではないかと邪推してしまいます。
 
そもそも「捕鯨は文化」と言ったところで、南極海での調査捕鯨は日本古来の文化と呼べません。反捕鯨団体が主に抗議するのは、南極海での調査捕鯨です。調査捕鯨という名目で年間630頭も捕獲するヤミ商業捕鯨である欺瞞を見抜いた上で、彼らは抗議活動しているのかもしれません。そうであるならば、彼らの過激な抗議手段に問題があっても、日本側に非は全くないとは言えますかね。
 
南極海での調査捕鯨と異なり、日本古来の文化として捕鯨を行っている地域には、二階幹事長の地元である和歌山県があります。他には、安倍晋三首相兼自民党総裁の地元である山口県でも、古くから捕鯨が行われてきました。さて、自民党の総裁と幹事長の地元がそれぞれ捕鯨文化を持っているというのは、何かの偶然でしょうか。今回のIWC脱退は地元の票固め目的のパフォーマンスでしょうか。それとも安倍内閣と自民党の支持率向上策でしょうか。
 
安倍内閣と自民党に思惑があるかどうかは別にして、捕鯨賛成派はIWC脱退を高く評価しています。「日本が国際的な場で堂々と主張できた」とか「日本が目覚めた」とか褒めちぎっている輩もいます。しかし、IWCを小中学校の学級会に置き換えてみてください。クラスみんなで話し合っている時に、理屈が通っていない頓珍漢なことばかり言っている子が、他の子たちに論破され続けたことで突然逆ギレして、「僕ちゃんの言うことを聞かないなら帰る! プンプン!」と席を立って下校したら、その子の親はどう対処しますか。「よくやった! 立派に自己主張できたな!」と褒めますかね。それは自己主張ではなくて、わがままなバカガキが逆ギレした迷惑行為です。日本がやったことは、それと変わりない醜態です。それに気付かず、日本のIWC脱退を支持する捕鯨賛成派は、言ってみれば愛国バカ親(愛国バカじいじ、愛国バカばあば)であり、「日本が目覚めた」とかほざく前に、お前が永眠してくれと毒づきたくもなりますね。
 
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