下手な言い訳はしなくてもいい。 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

「防弾少年団」の原爆Tシャツ問題で、デザイナーが謝罪 「Mステ出演取消し、申し訳ない…反日助長の意図はない」

 
韓国アイドルグループ「防弾少年団」のJIMIN(ジミン、23)が原爆Tシャツを着用し波紋を広げ、結局「ミュージックステーション」出演取りやめに発展した騒動で、該当Tシャツを手掛けたデザイナーが謝罪した。
 
TシャツのデザイナーであるLJカンパニーのイ・グァンジェ代表は、韓国メディアの取材に応じ「反日感情と日本に対する報復などの意図があるわけではなかった」と明かした。
 
また「ブランドをスタートさせた当時、ストリートファッションが流行していた。そのとき、私自らが歴史に関心を向けており、若者たちが着るファッションに歴史意識を込めれば、少しでも歴史に興味をもってもらえるのでは、と考えて(Tシャツ)をつくった」と経緯を説明。
 
イ代表は、問題となった原爆の写真について「その部分は、日本をばかにするような気持ちはなかった。原爆が投下され、日本が無条件降伏したために、韓国は解放されたという歴史の順序を表現するものだった」と伝えた。
 
さらに、JIMINが着用して日本で物議を醸し、「防弾少年団」が日本の音楽番組「ミュージックステーション」への出演が取り消しとなったことについて「昨日その事実を知り、とても動揺し、申し訳なく思っている。反日感情を助長しようとする意図はなく、その点でも防弾少年団に対して申し訳ない」と心境を明かした。
 
 
【ここから私の意見】
 
少し前に、この「原爆Tシャツ事件」が話題になり、高須クリニック院長は韓国政府に謝罪しろと息巻いていました。私は「謝罪を要求するなら韓国政府ではなく、Tシャツを着た本人またはデザイナーだろ、バカ。この“ちんぽ成金”が」と思っていました。あれから時間が経ち、Tシャツのデザイナーが謝罪しました。
 
しかし、この謝罪文には二点ダメなところがあります。まず反日感情を助長する意図はなかったとする部分です。いや、反日感情を助長する意図があってもいいのです。ファッションデザイナーも表現者ですから、そうした感情があれば表現する自由はあります。
 
日本の現状を見てください。書店に行けば、青林堂が発行する嫌韓漫画本や、月刊正論、月刊Will、月刊Hanadaなどのネトウヨ雑誌が、嫌韓感情を助長するような見出しを掲げて、堂々と恥ずかしげもなく陳列されています。インターネットの世界を見れば、韓国を好きでも嫌いでもない人ですら気分を害するような、嫌韓ヘイトスピーチが濁流のように溢れています。韓国人が反日感情を煽って対抗しても、それは五分五分という話です。
 
そうやって各々が自分の感情を表現すればいいのです。ただし、表現者としてのセンスが無ければ、多くの賛同を得ることなく、売れなくなってポシャるだけという悲しい結末になることは覚悟しなければなりません。ちなみに前述のネトウヨ雑誌は売れているようで、意外と売れていません。あの種の本は“信じたいものしか見たくない人”が買うものであり、池田大作や大川隆法の著書と同じ売れ方をします。一定の固定客=信者が必ず購入するから、書店が堅実な収入源として並べているのです。
 
次のダメなところは、「原爆が投下され、日本が無条件降伏したために、韓国は解放された」という歴史認識です。日本の敗戦により韓国が解放されたという順序は良しとしても、それならば「玉音放送を聴いて、うなだれる日本人」と「解放されて万歳をする韓国人」と絵として対置すべきではなかったかと思います。
 
「広島に投下された原爆のキノコ雲」と「解放されて万歳をする韓国人」を絵として対置するのは、アメリカによる原爆投下を正義として肯定する意味を持ってしまいます。冗談じゃない。アメリカはやらなくてもいい原爆使用を、日本人=アジア人を猿並みに蔑視し、実験動物扱いすることによって強行したのです。だから戦争後、被爆者たちを治療と称して集め、彼らのケロイド状に焼けただれた肌を自分たちの誇るべき実験結果としてカラー映像で記録してきたのです。日本人として、それを正義と肯定するほど落ちぶれてはいません。
 
アメリカによる原爆投下を正義として肯定するのが愚かしいのは、韓国人でも同じことです。アメリカが原爆使用を強行した一因には、日本人=アジア人=黄色人種に対する蔑視感情があり、それは肌の色を同じくする韓国人に対しても平気で向けられます。現に広島の原爆死没者には、当時日本臣民だった韓国人も含まれます。原爆は国籍や民族で焼き殺す人を選ぶことはありません。自らの同胞も焼き殺した原爆投下を正義として肯定するのは、本当の馬鹿者でしょう。
 
以上のダメな二点から、Tシャツデザイナーの謝罪文は彼の表現者としての覚悟の無さと、彼の歴史に対する勉強不足を露呈したに過ぎません。こんな下手な言い訳をするならば、むしろ謝罪文など書かなくてもよかったです。形だけの謝罪をして、騒動が風化するのを待っているのが明らかに見えてきます。それより広島の平和記念公園へ赴き、原爆で殺された同胞たちに慰霊の献花をして、自らの過ちを悔い改めるパフォーマンスの方が、少しはましな気がします。
 
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