【映画評】恐喝(ゆすり) | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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恋人である刑事フランクと喧嘩したアリスは、偶然知り合った画家の男に誘われるがまま、彼の家について行く。ところが、男に襲われそうになったアリスは、誤って男を殺してしまう。捜査の中でアリスが犯人だと気づいたフランクはとっさに証拠を隠すが、事件の真相を知った男が2人を恐喝するようになり……(映画.comより引用)。1929年製作のイギリス映画で日本劇場未公開作品。監督はアルフレッド・ヒッチコックで、出演はアニー・オンドラ、サラ・オールグッド、チャールズ・ペイトン、ジョン・ロングデン、ドナルド・カルスロップ、シリル・リチャード。
 
アルフレッド・ヒッチコック監督の初期作品にして、イギリス初のトーキー(有声)映画です。当初はサイレント(無声)映画でしたが、後から音声を入れることでトーキー映画になりました。
 
そのせいなのか、冒頭からしばらくBGMはあるけれども、台詞の音声がない状態が続き、サイレント映画だと思ってしまいます。後に巨匠となる若きヒッチコック監督が、まだトーキー映画という新技術に戸惑っているようで面白いです。
 
それでも後の作品で見られる演出の萌芽があります。螺旋階段の撮り方が『めまい』であったり、浴室内で刺殺という殺害方法が『サイコ』であったりするからです。
 
作品全体としては出来が今一つで、トーキー映画なのに、冒頭のサイレント部分が一番良いほどです。意外と印象に残ったのは、人を殺めたアリス(アニー・オンドラ)が下着姿で動揺する姿です。背徳の香りを身に纏った美女は、より美しく見えるのです。本作のアリスは金髪であり、「背徳の香りを身に纏った金髪美女」ですから、それもまた後のヒッチコック監督作品で見られる演出の萌芽であると言えるのです。
 
★★☆☆☆(2018年9月8日(土)DVD鑑賞)
 
本作にもカメオ出演しているヒッチコックは、当時30歳にしては老けています。
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