ブログやSNSで政治家の名前を「さん」付けで呼ぶ(例:安倍さん)を見かけます。あれはどうなのでしょうね。私が幼い頃の大人たちは、政治家の名前をフルネーム(例:田中角栄)または名字だけ(例:中曽根)で呼び捨てにしていたような記憶があります(「角栄」と下の名前で呼んだり、「ハマコー」と略称で呼んだりしても、「さん」付けせずに呼び捨てで会話をしていた気がします)。
政治家本人と私的な交流があり、本人を目の前にしているならば、「さん」付けにするのが礼儀です。しかし、特に私的な付き合いがなければ、「さん」付けは不要だと思うのです。例えばビジネスマナーとして、外部からの電話対応において「うちの鈴木は今外出しております」と答えるのが正解で、「うちの鈴木さんは今外出しております」と答えるのは社会人失格になります。政治家は全体の奉仕者である公務員で、言わば「公僕」ですから、ビジネス的に一定の緊張関係を保つのが、正しい付き合い方です。
こんなことを言うと、親しみを込めて「さん」付けしているという反論もあるでしょう。しかし、政治家に親しみ易さを求めると、政治家は威厳を失い、好感度狙いでニコニコ笑って愛想よく振る舞う連中ばかりになります。そして選挙が単なる人気投票になるという悪しきポピュリズムに堕するでしょう。
政治家の「さん」付けには、政治の劣化が端的に表れているというのは過言でしょうかね。
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