
何かにつけ文句ばかりで、「ブー子」というあだ名で呼ばれる大学生の幸子は、いつか少女漫画のような出会いがあると信じている。そんなある日、趣味がぴったりでジョニー・デップに似ているという男、スパロウさんとTwitter上で知り合った幸子は、スパロウさんに会うため外出するが、何十匹もの黒猫に遭遇したり、落とし穴にはまったりと、散々な目に遭ってばかりで……(映画.comより引用)。2014年公開作品。監督は福田雄一で、出演は指原莉乃、ユースケ・サンタマリア、ムロツヨシ、鈴木福、三浦理恵子、片桐はいり、志賀廣太郎、マギー、佐藤二朗、小嶋陽菜、きたろう、山西惇、中村ゆり、橋本じゅん、大河内浩、井上祐介、松岡璃奈子、アルコ&ピース、田口トモロヲ。
現HKT48の指原莉乃の主演映画です。4年前の製作ですが、指原のルックスが垢抜けていません。これでは、事務所の先輩の有吉弘行に「家出少女」と呼ばれてやむなしです。現在の指原が、どれほど綺麗になったか分かります(顔イジったのかな?)。
指原演じる幸子が次々とトラブルに遭います。アイドルにしては、かなりハードな数々の試練が用意されています。ところが、指原が落とし穴にはまっても、下痢になっても、屁をこいても、変顔をしても、白目を剥いても、もはや何の驚きもありません。指原はアイドルを超越した存在になったのでしょう。
監督の福田雄一が元々テレビバラエティ番組の構成作家なので、本作ではテレビ的な笑いしかありません。多めの製作費をかければ、テレビドラマでも作れそうな気がします。本作に映画的な何かを期待してはいけません。
福田監督は漫画実写化作品に定評があり、これまで『THE3名様』『変態仮面』『銀魂』などを手掛けています。しかも『銀魂』は興行的に大成功しています。小姑の如く厳しい目を向ける原作ファンによって、多くの有名監督が「原作クラッシャー」のレッテルを貼られ、バッシングされる中、福田監督は概ね原作ファンから叩かれていません。それは、実写版『銀魂』をコスプレ大会と言ってしまう脱力したスタンスによる「おふざけ」と、それを自覚してシリアスな原作に手を出さない賢さが巧みに作用しているからです。原作ファンは、ふざけた原作を、ふざけて実写化したものに対し、「ふざけるな!」と怒ることはできませんからね。むしろ「もっとふざけろ!」と励ますことがありそうです。
福田監督の「おふざけ」(誤解がないように言えば、彼は真剣にふざけています)は、原作という確固たる芯があるから、一応作品として成立します。しかし、本作は福田監督のオリジナル脚本であり、原作という芯がないので、話が散らかっている感は否めません。そこが惜しいところです。
★★☆☆☆(2018年8月11日(土)DVD鑑賞)
エンディング曲は内田裕也feat.指原莉乃『シェキナベイベー』です。
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