サザンオールスターズ「北鎌倉の思い出」 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

サザンオールスターズのプレミアムアルバム『海のOh,Yeah!!』に収録されている『北鎌倉の思い出』は、11月1日公開予定の映画『ビブリア古書堂の事件手帖』の主題歌です。
 
映画版『ビブリア古書堂の事件手帖』で、主人公の篠川栞子を演じるのは黒木華です。2013年に放送されたテレビドラマ版で、同役を演じたのは剛力彩芽で、原作ファンからは「イメージが違う」と酷評を浴びていました。映画版における黒木の演技が原作のイメージにハマっている場合、剛力に対するバッシングが再燃するおそれがあります。それを想像すると、剛力だけに背筋がZOZOっとしますね。
 
閑話休題。話を『北鎌倉の思い出』に戻しましょう。本作は原由子(以下「原坊」)がヴォーカルです。サザンのアルバムには、必ず原坊ソングが1曲収録されています。2枚組アルバムである『海のOh,Yeah!!』にも、1枚目の「“Daddy”side」には『唐人物語(ラシャメンのうた)』が、2枚目の「“Mommy”side」には本作が収録されています。
 
桑田佳祐が映画の内容からインスパイアされたと思われる本作の歌詞は、「100年前」の古(いにしえ)の人の思いを表現しています。『唐人物語』も古の人の思いを歌っており、数ある原坊ソングのうち、同作を選んだことには、何らかの意味があります。
 
それは、桑田がスペシャルインタビューで述べている、「原坊の歌のシャーマン的な魅力」「原坊特有の歌手としての憑依体質」を聴かせるためのセレクトなのでしょう。それは既に旅立った人の思いを現在に蘇らせる、青森のイタコや沖縄のユタを思わせます。伝統芸能の多くが神話的英雄を演者に乗り移らせて舞うことから、原坊ソングで芸能の原点を提示しているという深読みもできます。
 
「シャーマン的な魅力」や「歌手としての憑依体質」と聞けば、中島みゆき、Coccoの名前が挙がります。彼女たちが、その表現力の凄さ故に「教祖化」しているのに対し、原坊はサザンの一メンバーであり、あくまで裏方というスタンスであり続けています。その決して高みに上らず、親近感あるポジションを保つ点は、サザンというバンドの在り方を体現しているかのようです。
 
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