
ナイトクラブのクローク係である千代が、客である俊一が預けたコートの中にあった大金を盗んだ疑いをかけられた。店を辞めようとする千代を慰留するのは同僚の明だけだったというところから始まる青春物。1963年公開作品。監督は滝沢英輔で、出演は松原智恵子、山内賢、清水将夫、内藤武敏、小杉勇二、奈良岡朋子、南寿美子、松本克平、南田洋子、フランク・永井。
千代役を演じるのは松原智恵子です。今と違って若々しさに溢れています。日活時代の松原は、日活撮影所に近い調布市に住んでいて、そこでピンポンダッシュのいたずらをしたのが、少年期の高田純次だったというエピソードは個人的に好きです。
明役を演じているのは山内賢です。山内と言えば、テレビドラマ『あばれはっちゃく』シリーズの担任役が記憶にあります。本作の頃は、青年役が似合っています。
原作は沢野久雄の小説『河の涯』でありながら、フランク・永井が歌う主題歌がタイトルになっています。今は、このようなタイトルの付け方は珍しいパターンです。
主演の松原と山内のイメージどおり、爽やかな青春物語です。千代、明、俊一(小杉勇二)が各々違った悩みを抱えながらも、夢と希望をもって社会へと歩んでいく、ベタな話です。
しかし、同じ日活では1956年に『太陽の季節』など太陽族映画がヒットし、他社の松竹では1960年に『ろくでなし』が公開されたことを思えば、1963年公開の本作は強烈さを欠き、時代に合っていたのか疑問です。
★★☆☆☆(2018年7月20日(金)DVD鑑賞)
フランク・永井ってプロレスラーみたいなネーミングですね。