【映画評】ど根性物語 銭の踊り | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

イメージ 1
 
まがったことが大嫌いなタクシー運転手の町田八百は、ひき逃げした車を見つけると乗客のことも忘れて追跡し、車ごとぶつかるような正義漢。その腕っぷしを買われて“社会に害毒を流す者を消す”殺し屋グループにスカウトされ仲間に入るが、その正義感が災いし、逆に命を狙われ……(Amazon商品説明より引用)。1964年公開作品。監督は市川崑で、出演は勝新太郎、江利チエミ、船越英二、浜村純、ロイ・ジェームス。
 
勝新太郎の「ど根性」シリーズ最終作です。「悪名」シリーズ、「座頭市」シリーズとシリーズ物を成功させてきた勝新であるにもかかわらず、この「ど根性」シリーズは3作で終了しています(1作目は『ど根性一代』、2作目は『ど根性物語 図太い奴』)。
 
本作は前2作と時代設定が異なり、内容的に繋がりがありません。そんな暴挙に出たからシリーズが終わってしまったのでしょうか。それとも、シリーズ終了が決まったから暴挙に出たのでしょうか。今となっては謎です。
 
監督の市川崑は、石原裕次郎主演の『太平洋ひとりぼっち』と、ドキュメンタリー大作『東京オリンピック』の間に本作を作っています。裕次郎、勝新、オリンピックと、並みの映画監督であれば、精神的に参ってしまいそうなラインナップです。しかし、市川監督は3作品とも仕上げました。
 
脚本の久里子亭は、市川と和田夏十の共同ペンネームです。その脚本は007」シリーズのパロディを狙ったものであり、市川監督作品にしては珍しいカーアクションまであります。
 
しかし、作品のモダンさやオシャレ感では、本作の7年前に作った『』に劣ります。これはどうも、勝新のキャラクターや存在感が、市川&和田のクールなセンスと相性が悪かったからではないかと思われるのです。
 
★★☆☆☆(2018年7月14日(土)DVD鑑賞)
 
本作の音楽担当はハナ肇です。攻め過ぎですね。
イベントバナー

 

にほんブログ村 映画評論・レビューに参加しています(よろしければクリックを!)