【映画評】ターミネーター:新起動/ジェニシス | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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未来の人類反乱軍のリーダーであるジョン・コナーの母サラ・コナーを歴史から抹消するため、未来から殺戮マシーンのターミネーター「T-800」が送り込まれる。しかし、そこには老いた姿の同型ターミネーターが待ち受けていた(映画.comより引用)。2015年日本公開作品。監督はアラン・テイラーで、出演はアーノルド・シュワルツェネッガー、エミリア・クラーク、ジェイ・コートニー、ジェイソン・クラーク、J・K・シモンズ、イ・ビョンホン。
 
アーノルド・シュワルツェネッガーが復帰する人気SFアクションシリーズ第5作です。「あれ? でもシュワちゃん、お爺ちゃんでしょ? ロボットは年取らないんじゃないの?」という疑問は、ターミネーターの皮膚も人間と同じで老いるという設定で強引にクリアしています。
 
過去4作品からのネタがたくさん散りばめられているので、シリーズのファンは楽しくてニヤニヤすることができます。『ターミネーター2』(以下『T2』)が一番好きな私としては、同作で衝撃を受けた液体金属製の「T-1000」が、しっかりと警官姿で再登場するのに心躍りました。T-1000役を演じるのがイ・ビョンホンで、彼のクールな表情とシャープな動きは、この役に適していると評価できます。
 
サラ・コナー役を演じるのはエミリア・クラークです。『T2』でリンダ・ハミルトンが演じたサラ・コナー像の強烈さ故に、物足りなさを否めず、損な役回りになっています。肉体のムチムチ感はエミリアの方が勝っていますけど。
 
歴史を変えるために未来からロボットが送り込まれるという『ドラえもん』みたいな本シリーズ作品では、現在と未来の辻褄が合わなくなるタイムパラドックスが、重箱の隅を楊枝でほじくりたいファンの間で話題になります。本作では、タイムトラベルによって歴史が変わり、異なる時間軸が生まれるので、ストーリーが複雑になっています。この仕掛けによって、ネチネチと細部をつつくファンを諦めさせようと意図しているのではないかと疑うほど、一度観ただけでは分かりにくいです。
 
1作目の『ターミネーター』公開から30年も時が過ぎ、T-800(シュワルツェネッガー)は旧型のロボット扱いされ、インターネット世代の敵と戦うことになります。ガタが来た体でも、まるで老骨に鞭打つかのように頑張るT-800の姿は、老いたシュワルツェネッガーの姿に重なります
 
無理にアンチエイジングすることなく、自分の老いを受け入れ、それを演技の糧や武器にして成功した俳優では、クリント・イーストウッドが代表格です。本作のシュワルツェネッガーも自身の老いを武器にし始めた点で、イーストウッドの領域に近付きつつある気がするのです(二人とも政治家に転身していた時期があるという共通点までありますから)。
 
★★★☆☆(2018年7月7日(土)DVD鑑賞)
 
シュワちゃんが若かった、あの頃の作品を探してみましょう。
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