盲目にして居合いの達人、座頭市が訪れた町に血の雨を降らしてしまう時代劇シリーズ第4作。1963年公開作品。監督は田中徳三で、出演は勝新太郎、高田美和、万里昌代、成田純一郎、小林勝彦、北城寿太郎、村瀬幸子、安倍徹、名和宏。
賞金首となって上州下仁田に流れ着いた市(勝新太郎)です。下仁田だからと言って、市が名物のネギやコンニャクを美味しそうに食べるシーンはありません。
上州ということもあり、市が国定忠治(名和宏)と再会するシーンがあります。単独で主役を張れるヒーロー同士が一つの作品で共演するというのは、『アベンジャーズ』などマーヴェル・コミック実写化作品みたいです。時代劇版『アベンジャーズ』を作ったら、面白そうですね(『魔界転生』は、それっぽいですけど)。
市に賞金を懸けた矢切の東九郎(安倍徹)、地元の二代目親分である佐吉(成田純一郎)、浪人の棚倉蛾十郎(北城寿太郎)の思惑と策略が絡み合い、市は追い込まれていきます。しかし、怒った市が仕込み杖を抜けば、たちまち死屍累々となるのです。
そのクライマックスで、市が銃声に対して大きなリアクションを取るシーンがあります。これは、盲目の市は常人より聴覚が優れているため、大きな音に人一倍敏感だからでしょう。細かい部分にまで気が行き届いている演出です。
大量殺人の末、一件落着させた市ですが、棚倉との対決で仕込み杖を折られてしまいます。手ぶらになって下仁田を去って行く市には、どんな運命が待っているのでしょうか(次作『座頭市喧嘩旅』で、何事もなかったかのように、仕込み杖を持っているような気がします)。
★★★☆☆(2018年4月26日(木)DVD鑑賞)
相撲も強い座頭市!