
自らを「スター・ロード」と名乗り、いい加減な性格でプレイボーイなトレジャーハンターのピーター・クイルは、ある日、惑星モラグの廃墟で謎の球体「オーブ」を見つけ、盗み出すことに成功する。しかし、そのオーブは銀河を滅亡させるほどの力を宿したパワーストーンで、暗躍する「闇の存在」が探し求めていたものだった。オーブを狙う者たちに追われ、凶悪犯だけが収容されるという銀河一危険な収容所に入れられてしまったピーターは、そこで一緒になったロケット、グルート、ガモーラ、ドラックスと協力して脱獄。たまたま利害関係が一致しただけで信頼関係もない5人は、内輪もめを繰り返しながら逃亡を続けるが、そんな彼らに「闇の存在」の魔の手が迫る(映画.comより引用)。2014年日本公開作品。監督はジェームズ・ガンで、出演はクリス・プラット、ゾーイ・サルダナ、デイヴ・バウティスタ、ヴィン・ディーゼル(声)、ブラッドリー・クーパー(声)、リー・ペイス、マイケル・ルーカー、カレン・ギラン、ジャイモン・フンスー、ジョン・C・ライリー、グレン・クローズ、ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリン。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』にも参戦する、宇宙悪党集団の活躍を描いたマーヴェル・コミックの実写化作品です。同作のラスボスであるサノス(ジョシュ・ブローリン)は、本作で初登場しています。
主人公のピーター(クリス・プラット)は、子供の時に地球から拉致されたという設定です。それ故、地球での記憶がそこで止まっているので、40代以上の世代にとっては懐かしい映画や音楽の話をします。この年代層の心を掴もうとする手口は、『テッド』に似ています(見た目がアライグマのロケットが毒舌であるのも、『テッド』のようです)。
ガモーラを演じるゾーイ・サルダナは、『アバター』で全身青色の役を演じ、本作では全身緑色の役を演じています。全身緑色の武闘派宇宙人と言えば、『ドラゴンボール』のピッコロを思い出します。
ロケットの声はブラッドリー・クーパーで、グリートの声はヴィン・ディーゼルという贅沢なキャスティングをしています。何しろグリートの台詞は2パターンしかありませんから、『怪物くん』のフランケンみたいな扱いです。
ドラックス役のデイヴ・バウティスタは、元WWEスーパースター、すなわちプロレスラーです。常に上半身裸であるのは、前職の経験を買われたからでしょうか。『北斗の拳』も『魁!!男塾』も、上半身裸のマッチョなキャラクターが大勢出てきますね。
このようにクセがすごい連中が集まって、色々ありながらも銀河の危機を救おうと冒険します。責任重大な大仕事で、人がたくさん死んでいく状況であるにもかかわらず、戦闘シーンの前後や最中にジョークめいた軽口が入るコメディ調です。
『アベンジャーズ』シリーズも同様、チームを組んで強大な敵と対決するパターンは、日本の少年漫画、特に週刊少年ジャンプの作品でも王道のパターンです。しかもチームのメンバーが悪そうなのに、実は良い人という悪人正機説のような設定は、劇場版『ドラえもん』におけるジャイアンのようでもあります。
こうして考えると、アメリカのコミックと日本の漫画に共通する読者を楽しませる法則らしきものがあり、それがコミック実写化作品である本作にも活かされていると分かって面白いです。ついでに言うと、ピーターは宇宙海賊の一味であり、キャプテンハーロックや『ONE PIECE』のルフィと同じ職種なんですよね。
★★★☆☆(2018年4月6日(金)DVD鑑賞)
吹替版の日本人キャスティングもクセがすごい!