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大企業の後継者争いにまきこまれた娘が次々に出会う謎と恐怖を描く(映画.comより引用)。1985年公開作品。監督は松永好訓で、出演は渡辺典子、渡辺謙、川地民夫、一色彩子、高沢順子、ベンガル、谷隼人、長山藍子。
赤川次郎原作の角川映画で、角川三人娘の一人である渡辺典子の主演作です。他の角川三人娘は薬師丸ひろ子と原田知世であり、どうにも渡辺典子は影が薄いです。おそらく今の若者は知りません。
渡辺謙が出演しています。まだ若造という感じで、現在ハリウッドでも活躍する姿を見れば、積み重ねてきた人生の重みを感じます(私生活では、今も苦労がありそうですが)。
舞台が冬の長野県白馬村であり、登場人物がスキーを楽しむシーンがあります。今となっては、実にバブリーな画です。『私をスキーに連れてって』と同時代ですからね(奇しくも同作の主演は原田知世です)。
主人公の紘子(渡辺典子)は結婚相談所のアルバイト学生で、関根コンツェルンの女実業家である関根恭子(長山藍子)から息子の昌和(渡辺謙)の婚約者を演じる仕事を依頼され、それを引き受けます。しかし、関根コンツェルンの後継者争いの中、殺人まで起こり、紘子は恐怖と闘いながらも事件を解決していくという展開です。
そうは言っても、紘子が名推理を発揮して事件の真相に近付いて行くというより、事件に巻き込まれて動揺している紘子の前に真相の方から近付いて来るような流れになっています。明智小五郎や金田一耕助などの名探偵は、事件に第三者として関わっているからこそ冷静に推理することができるのであって、事件に当事者として関わっている19歳の紘子に、それを望むのは無理だからです。
事件の根幹にあるのは、恭子の昌和に対する親子愛です。これは『犬神家の一族』や『人間の証明』と同じく、角川春樹プロデューサー時代の角川映画での王道パターンに当たります。しかし、それらの作品で母親役を演じた高峰三枝子と岡田茉莉子に比べ、長山藍子ではスケールダウンを否めず、当時の角川映画が勢いを失いつつあったことを表しているようにも思われるのです。
★★☆☆☆(2018年3月31日(土)DVD鑑賞)
若き日の渡辺謙がオードリーの春日俊彰に見える瞬間があるのは私だけ?