【映画評】インデペンデンス・デイ:リサージェンス | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

イメージ 1
 
エイリアンの侵略を生き延びた人類は、共通の敵を前にひとつにまとまり、回収したエイリアンの技術を利用して防衛システムを構築。エイリアンの再来に備えていた。しかし、再び地球を目標に襲来したエイリアンの兵力は想像を絶するものへと進化しており、人類は為す術もなく、再度の絶滅の危機を迎える(映画.comより引用)。2016年日本公開作品。監督はローランド・エメリッヒで、出演はリアム・ヘムズワース、ジェフ・ゴールドブラム、ビル・プルマン、マイカ・モンロー、トラヴィス・トープ、ウィリアム・フィクナー、シャルロット・ゲンズブール、ジャド・ハーシュ。
 
前作『インデペンデンス・デイ』公開から20年経ち、映画の中の世界も、ちょうど20年経っているという珍しい設定の映画です。前作から引き続き出演するジェフ・ゴールドブラムやビル・プルマンも20歳老けて登場します(ウィル・スミスは写真のみ出演)。
 
監督も前作から引き続き、ローランド・エメリッヒです。彼の映画は巨大な物が派手に破壊され、滅亡の危機を前に人類が一致団結して立ち向かうという底抜け超大作揃いで、本作もそんな映画です。
 
前作でエイリアンが残した科学技術を利用した設定になっているので、現実世界の2016年と異なる進歩を遂げた並行世界が舞台になっています。それ故、精密な科学考証を無視した部分もあり、『インターステラー』のスタッフが呆れてしまうかもしれません
 
並行世界(パラレルワールド)の話でありながら、現実世界との生々しいリンクが見られます。本作のアメリカ大統領は女性(セラ・ウォード)であり、製作当時のハリウッドがヒラリー・クリントン大統領の誕生を期待していたと分かります。期待虚しく実現しませんでしたが。
 
また東洋人の顔立ちをした登場人物がいても、ほとんど中国系という設定です。これはハリウッドが巨大な中国市場をメインターゲットにしているからです。近年のハリウッド映画では、物語の舞台に中国をねじ込んでいるものがあり、これは中国の客層を意識しているか、映画の出資者が中国企業であるかのどちらかが理由です。
 
同じ東洋人でも、本作において日本人の影は薄いです(というか、いなかった?)。上掲DVDジャケットに日本列島が描かれていますが、本作は主に大西洋を挟んだ国々で物語が進行するので、これは日本市場限定のデザインです(試しにアメリカ本国版を調べると、巨大宇宙船が北米大陸上にいるデザインです)。映画の中で無視されているにもかかわらず、DVDジャケットだけでも出ていることにしようという虚勢ですか。いじらしいですね。日本スゴイです。
 
前作と同様、本作もアメリカが世界を救うというアメリカ万歳な映画であるのに、“同盟国”である日本が眼中にないというのは考えさせられます。現在の日本の“最高責任者”は、国会で「先に攻撃した方が圧倒的に有利になる」と自衛隊の先制攻撃を容認する発言をしましたが、本作においてエイリアンへの先制攻撃は圧倒的に有利にならず、むしろ不利に働く愚策になったところを見ると、アメリカが蚊帳の外にしてもやむなしな気もしますけどね。
 
★★★☆☆(2018年2月28日(水)DVD鑑賞)
 
エメリッヒ監督はゲイであり、本作にはそれを匂わせるキャラクターが登場します。
イベントバナー

 

にほんブログ村 映画評論・レビューに参加しています(よろしければクリックを!)