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メキシコの町に流れてきたドブスとその相棒カーティンは老人ハワードと出会う。彼らは黄金探しの夢を追って、旅に出ることに。シェラ・マドレ山で砂金を見つけたものの、猜疑心のとりことなったドブスは独り占めを企み……(映画.comより引用)。1949年日本公開作品。監督はジョン・ヒューストンで、出演はハンフリー・ボガート、ウォルター・ヒューストン、ティム・ホルト、ブルース・ベネット。
ジョン・ヒューストン監督は、後に『アフリカの女王』撮影時に象狩りに夢中になったというエピソードが『ホワイトハンター ブラックハート』のモデルになったことでも有名です。本作もロケ中心の撮影であり、ヒューストン監督はアウトドア派なのでしょうか。
ハワード役のウォルター・ヒューストンは監督の実父です。息子の監督作品に出演する俳優は珍しいと思っていたら、大森立嗣監督作品に出演する麿赤兒という例がありました。
『マルタの鷹』や『アフリカの女王』でもヒューストン監督と組んだ、ハンフリー・ボガートが主役のドブスを演じます。本作では砂金が早い段階で見つかり、その後に独占欲から疑心暗鬼に陥るドブスのクズ人間ぶりが見所になります。主役がクズという点で明朗な娯楽映画とは異なります。
何とか砂金を独り占めしたいドブスですが、ハワードとカーティン(ティム・ホルト)がそれを阻止し、一対二になるので望みを叶えられません。ところがハワードが原住民の少年を助けるためにいなくなると、ドブスがカーティンを裏切り、全ての砂金を手に入れます。そしてドブスが物乞いから金持ちになるサクセスストーリーかと思えば、山賊に襲われてクズにお似合いの末路を辿ります。
ドブスのクズらしさを他人事のように見ている私たちでも、もしドブスと同じ状況になれば、欲望むき出しの行動に走るのではないでしょうか。“そうだ。てめえたちゃ、みんなドブスと同じだ。もっとくさってるかもしれねえな。それを証拠にいけしゃあしゃあと生きてられるじゃねえか”(ジョージ秋山『銭ゲバ』のラストシーンを真似ました)。
★★★★☆(2018年1月23日(火)DVD鑑賞)
その後のハワードは『地獄の黙示録』のカーツ大佐みたいになるのでしょうか?