「棒」について考える | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

東出昌大と阿部寛は、大根役者界の「良い棒」……棒演技をめぐる「良い」「悪い」ってナンだ!?

 
ドラマの感想などが書き込まれるネット掲示板で、度々見かける「棒」という言葉。
 
「棒」とは「棒読み」、いわゆる「大根役者」のことで、ずいぶん失礼な話ではあるが、よく掲示板などに挙がる名前には、山崎賢人、福士蒼汰といった若手イケメン俳優から、東出昌大、ディーン・フジオカ、向井理、西島秀俊、EXILEAKIRAまで、さまざまだ。
 
さらに、そうした「棒」の中でも、ときどき見かけるのが「良い棒」「悪い棒」という言葉。
 
基本的にけなし言葉のはずの「棒」という言葉に、なぜ「良い」「悪い」があるのか? また、どういう違いなのだろうか? あるテレビ誌記者は言う。
 
「抑揚のあまりないしゃべり方をしたり、表情の変化があまりなかったりする役者さんは、確かに『棒(読み)』と言われることがありますよね。また、どうしても声に表情が出にくい、声質が原因になっている役者さんもいる気がします。良い・悪いの基準はないでしょうが、単純に『味がある』役者さんの場合、『良い棒』というのかわかりませんが、高く評価されることがありますよね」
 
その「味」というのも、実に曖昧なものだが……。
 
「ひとつには、スマートなイケメン俳優さんよりも、個性的な風貌であるだけで『味がある』ととらえられることはありますよね。また、若手よりも、年齢を重ねていることで、『味』が出てくるともいわれる。また、昔はハンサムで大根と言われていた三浦友和さんなどが、いつの間にか渋みのある役者さんになったのも、年齢を重ねてこそだと思います」(同)
 
さらに、「役柄との出会い」もあると指摘する。
 
「例えば、無表情や、抑揚のないしゃべりにちゃんと意味がある強烈な役柄を演じることによって、それが味わいになってくるパターンもあります。かつては『棒』と言われた阿部寛さんなどがそうですし、今では東出昌大さんがその筆頭かなと思います」(同)
 
確かに、東出といえば、何かと「棒」と言われがちで、名前の検索関連ワードに「棒」「演技 下手すぎる」などが出てくるほど。
 
しかし、それがドラマ『あなたのことはそれほど』(TBS系)で、不倫する妻(波瑠)への嫉妬に狂う夫を演じた際には、「棒演技だからこそ、むしろ怖い」とネット上で絶賛されていた。
 
そして、『あなそれ』以降は、「普通じゃない人」を表現する上で、その存在感が大いに注目されているようだ。
 
「『あなそれ』で開花した淡々とした演技の味わいは、今秋上映された映画『散歩する侵略者』と、WOWOWドラマの劇場版『予兆 散歩する侵略者』において、さらに凄みを増してきました」と語るのは、ある映画ライター。
 
「東出さんは、もともとこもった感じの声質のせいもあって、『棒』と言われがちですが、その演技や存在感が生かされる場はたくさんあります。『散歩する侵略者』では、ワンシーンのみの牧師役として登場しましたが、目を見開いて真っすぐな瞳で愛の定義を語る、何も伝わってこない空虚な感じは見事でした。さらに『予兆~』のほうでは、地球外からの侵略者役でしたが、表情のなさ、淡々とした口調の怖さときたら。あの長身がのっそり病院内を歩いてくる姿だけで、明らかに普通の人間とは違う『異物』であることが説明なしにわかりますし、終盤はもうほとんど『ターミネーター』状態でした」
 
長身イケメンの目立つルックスも、強烈な役柄に出会えば、単なるイケメン俳優でなく、「怪優」としての大きな武器になる。
 
今後ますます、いろいろな味の「強烈な役柄」を演じてほしいものだ。
 
転載元:日刊サイゾー
 
【ここから私の意見】
 
東出昌大が称賛されているのか、それとも馬鹿にされているのか微妙な記事です。一応俳優として評価されていると受け取りましょう。
 
転載記事中で名前が上がっていない「棒」俳優として、高倉健がいます。高倉は最高の「棒」であり、その「味」で日本映画史に残るトップスターになりました。高倉を「棒」呼ばわりするのは失礼だと怒る人もいるでしょう。しかし、デビュー前の高倉は、俳優座演技研修所でのレッスンで落ちこぼれだったというエピソードがあります。映画と舞台、主役と脇役では要求される演技が異なるということで、高倉はテクニックに頼らず、「高倉健」という素材そのもので勝負したから成功したのです。
 
東出も今後の努力次第で高倉の域に近付くことはできるはずです。今のところ、結婚した時点で妻の方が稼ぎが良いという共通点があるだけですが(東出は杏、高倉は江利チエミ)。
 
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