
「ギタイ」と呼ばれる謎の侵略者と人類の戦いが続く近未来を舞台に、同じ時間を何度も繰り返すはめになった兵士が、幾度もの死を経験し、成長していく姿を描く(映画.comより引用)。2014年日本公開作品。監督はダグ・リーマンで、出演はトム・クルーズ、エミリー・ブラント、ビル・パクストン、ブレンダン・グリーソン。
桜坂洋のSFライトノベルが原作です。しかし、設定やストーリーに変更があるようです。原題まで“EDGE OF TOMORROW”に変更されていますからね。それでも、日本人俳優の羽田昌義が出演していたり、基地内のアナウンスや機動スーツの音声が日本語だったりと、オリジナルに対する一定のリスペクトはあります。
主人公のケイジ(トム・クルーズ)がヘタレ男子で、相方となるリタ(エミリー・ブラント)が逞しい女子という組み合わせは、『機動戦士ガンダム』や『新世紀エヴァンゲリオン』にも通じ、日本的です。ただし、ケイジは何度も死と再生を繰り返すことで成長し、イーサン・ハント(『ミッション:インポッシブル』シリーズ)並みのヒーローになっていきます。これは「いつもカッコイイ俺だけど、たまにはヘタレな俺も見たいだろ?」というトムからのファンサービス(?)なのでしょう。
序盤のビーチでの激戦は『プライベート・ライアン』を、最終決戦の場所は『ダ・ヴィンチ・コード』を思わせます。これはトム・クルーズが同じ名を持つトム・ハンクスを意識したからではないかと勝手に想像しています。「世界で一番のトムは俺さ!」と勝ち誇るトム(クルーズの方)の姿も。
映画では省略されていますが、ケイジはタイムループすることによって全ての流れを一からやり直しています。これは実際に体験すれば、実に気が遠くなるような過酷な苦行です。本作の設定は、テレビゲーム慣れして、気軽に「リセット」という言葉を使う現代人への批判にもなっているのです。
★★★☆☆(2017年10月7日(土)DVD鑑賞)
機動スーツは『エリジウム』でも登場します。当時の流行ネタ?