
大学卒業の青年を通して社会の真実の姿を描く異色作(映画.comより引用)。1957年公開作品。監督は市川崑で、出演は川口浩、川崎敬三、船越英二、小野道子、笠智衆、杉村春子。
市川崑監督&和田夏十脚本によるブラックな社会風刺コメディです。大映作品ということで、増村保造が助監督を務めていることは、後世から見ると注目ポイントです。
主人公の両親役を演じるのは、笠智衆と杉村春子です。二人とも小津安二郎監督作品の常連俳優です。小津作品は日本の家族を描いていますが、本作で笠と杉村が演じるのは普通じゃない家族です。そこも風刺の一つなのでしょう。
全体的にクールな風刺劇になっています。しかし悪く言えば、情より理を優先させた、血の通っていない感じです。市川と和田のコアな部分が前面に出ており、取っ付きにくい映画になっています。
和田のオリジナル脚本はトガリ過ぎと大映側が判断したからなのか、大映時代の市川監督作品は原作物の割合が多いような気がします。それだけが理由ではないでしょうけど。
★★☆☆☆(2017年10月6日(金)DVD鑑賞)
♪川口浩が~洞くつに入る~(嘉門達夫『ゆけ!ゆけ!川口浩!!』)