【映画評】SHOCKER ショッカー | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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電気椅子に掛けられても死なない殺人鬼のシードは、自分を陥れた者たちを次々と惨殺していくが…(KINENOTEより引用)。2007年製作のカナダ映画で日本劇場未公開作品。監督はウーヴェ・ボルで、出演はマイケル・パレ、ウィル・アンダーソン、ラルフ・モーラー、ジョデル・フェルランド、テア・ギル。
 
ウーヴェ・ボルは、最低映画を決めるゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)の常連です。それでも映画を作り続けられるのですから、映画界は不思議です。本作がカナダ映画であるのに、プロデューサーを兼ねるボルがドイツ人であるのも不思議ですけど。
 
殺人鬼シード(ウィル・アンダーソン)は、常に覆面をしている怪力の大男である点が『悪魔のいけにえ』のレザーフェイスに似ています(というかパクリ?)。覆面をしたままでシードが白昼の街中を歩いても、誰も不審の目で見ないというツッコミどころは、やはりB級映画的です。
 
邦題は『SHOCKER』(原題は『SEED』)ですが、シードによる惨殺シーンはショッキングではなく、じわじわと不快感を生じさせるものです。復讐のため、おばさんを椅子に拘束し、ハンマー状の凶器で頭部がグチャグチャに原形を留めなくなるほど何度も殴打するシーンは、他のホラー映画に見られる斧やナタでスパッと身体切断する描写に比べ、一種の爽快感がなく、しつこさだけが残ります。
 
他にシードの異常性を表現するため、シードのお気に入りビデオを見せますが、これも不快感が強めでトラウマになる危険があります。「皮革業者がアライグマを踏みつけにし、生きたまま毛皮を剥ぐ」映像や、「シードが監禁して殺した犬や人間の死体が腐乱して蛆虫が湧き、白骨化していく」映像です。これらの映像を必要以上に長く見せつけてきます。前者の映像は、動物愛護活動家のブリジット・バルドーが激怒しそうです。後者の映像は、ドイツの変態監督ユルグ・ブットゲライトが『死の王』で同じネタをやっているので、ドイツ人共通の作風かと疑ってみたくなります。
 
シードを執拗に追い詰める捜査官ビショップ(マイケル・パレ)は、逆にシードに復讐され、窮地に追い込まれます。その状況が『セブン』や『ソウ』に似ているのは大目に見るとしても、ラストに救いがなく、後味の悪さだけが残るという不快感増し増しなのは如何なものかと思います。
 
★★☆☆☆(2017年8月14日(月)DVD鑑賞)
 
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