社説:知事のゴルフ問題 信頼回復の道は険しい
佐竹敬久知事のゴルフ問題をただす県議会全員協議会が10日開かれ、県庁の危機管理意識の低さや知事の不誠実な対応に議員から批判が集中した。知事は「正直、(辞職して)楽になりたい気持ちがないわけではない」としつつも「許されるのであれば県政を前に進め、不名誉な事態の挽回を図りたい」と改めて辞職を否定、続投の意思を示した。しかし、県民が納得できる説明には程遠かった。
知事は本県が記録的大雨に見舞われた先月22日朝から宮城県内にゴルフに出掛け、浸水などで大きな被害が出る中で夕方から飲酒して宿泊した。翌23日に県庁で災害連絡会議を開くよう指示しながら渋滞に巻き込まれて欠席。さらに当初、同行者は県庁OB3人としていたが、実際は現職幹部2人、県OB4人の計6人だったことが発覚、虚偽説明だったと認めた。
なぜ最初の段階で本当のことを話さなかったのか。ゴルフに同行した県の水澤聡・産業労働部長と草なぎ作博・観光文化スポーツ部長について、知事は2人に責任が及ばないよう、かばうためにうそをついていた。議員から「虚偽説明は最悪のパターンだ」と指摘されたのに対し、知事は「後悔してもしきれない。非常に恥じ入っている」と述べたが、根底には極めて甘い身内意識が横たわっている。
不誠実な対応を重ねたことで、知事の発言そのものの信用度は低下している。全員協で知事は「災害復旧など多くの県政課題に取り組むことが私の責務と捉え、初心に帰って県政運営に全力を傾ける」と訴えたものの、説得力に欠けた。
危機管理意識の乏しさも改めて露呈した。休日とはいえ、県民の生命と財産を守る立場の県政トップが県庁の誰にも行き先を伝えず、県外へ出掛けていた。ゴルフに同行した部長2人が知事に帰県するよう一度も進言しなかった上、県から知事への災害情報はメールだけで電話連絡が一本もなかった。信じ難いことであり、組織の緩みが厳しく問われて当然だろう。
こうした問題点が指摘されているのを受け、県は災害時などには必ず知事に電話で連絡することや知事の所在を幹部職員で共有するといった改善策を全員協で示した。いずれも基本中の基本であり、直ちに徹底すべきである。
今回の問題での知事の対応を見れば、リーダーとしての資質に首をかしげざるを得ない。野党議員からは「県民を守るための県庁が、知事を守る組織になっている。知事に立て直しができるとは思わない」として知事の辞職を求める意見も出た。
県庁には数百件に及ぶ批判が寄せられている。県庁は失った県民の信頼を取り戻せるかどうかの瀬戸際にある。知事は県民や議会の批判を重く受け止めて自らを律するのはもちろん、身内意識を早急に改めなければ県民との距離はますます広がる。
転載元:秋田魁新報電子版
【ここから私の意見】
県外にゴルフへ行くのを事前に県庁に告げなかったことや、県内に大雨被害が出ているのに急いで帰らなかったことも非難されますが、県民に対して嘘をついたことが最大の問題です。
現職部長が同行したことを隠しただけでなく、酒を飲み始めた時刻を偽ったこともバレました。休日のゴルフで昼にビールを飲むのは、よくあることです。正直に話せば、大目に見ます。それなのに、なぜ夕方から飲み始めたと嘘をついたのでしょうか。自己保身以外の何物でもありません。
県民の生命や財産が危機的状況にある緊急時に咄嗟に嘘をつける人間は、平時ならば悪知恵を絞って練りに練ったバレにくい嘘をつけます。そんな人間は、私人ならば絶交し、県のトップという公職にあれば、辞職を求めるのが当然です。
それにしても、県庁内の身内意識の高さは極めて異常です。今風に言えば、県政の私物化です。かつての「食糧費問題」の頃から何も変わっていません。だから、秋田はダメになるのです。
この期に及んで、佐竹知事を殿様呼ばわりする擁護派は、殿様に献上する年貢と同じ感覚で県税を納付している、百姓根性の抜けない前近代的なバカですね。そんなバカばかりだから、賢い若者は見切りをつけて県外流出し、少子高齢化スピード全国一になるんだよ!
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